二輪車最高!! 大型スクーター編

加藤 良介

第1話

 皆様こんにちは、加藤良介でございます。

 寒くはなってきたとはいえ、昨今の暖冬のお陰でまだまだバイクは走れます。

 いや、まぁ、真冬も泣きながら走るんですけど・・・


 今回は大型スクーターについて、いつもの独断と偏見で語っていこうと思います。

 このエッセイでは、大型スクーターを250cc以上のスクーターと定義させていただきます。よろしければお付き合いください。

 



 ・利点


 ① シティーコミューターとしての最適解


 大型に限りませんが、スクーターの利点は、この一事に集約されていると思います。

 とにかく都市内での移動が楽。

 車よりも列車よりもバスよりも楽ちんです。

 通勤、通学、ちょっとした買い出し。あらゆるシチュエーションにおいて、都市内を短時間で移動可能です。これよりも速い移動手段となると、めっちゃ渋滞している本線を脇目に、クロスバイクでの爆走ぐらいしか思いつきません。道がすいていたら、瞬殺で追い越せますが。


 更に大型スクーターになりますと、原付スクーターについて回る、数々の制約からも解放され、その上で機動力は互角以上となります。

 (原付スクーターの制約とは、時速30km制限や、原付通行禁止の橋梁やトンネル、二段階右折などが挙げられます)



 ② 積載量

 

 スクーター以外の系統の二輪車の最大の欠点は、積載量の不足でしょう。

 ほとんどの車種は、工具と車検書を入れたら一杯一杯の小物入れしかありません。

 そんなバイクに荷物を載せようと思ったら、ライダーが背負うか、荷台を取り付けて積載BOXを購入するか、高価なサイドバックを装着しなければなりません。


 しかしながら、大型スクーターにはシート下に、大きなヘルメットタンクが装備されていることが、多いですね。物によっては、ヘルメット二個分のスペースが確保されています。通勤、通学程度の荷物であれば、このタンクだけで事足りるでしょう。


 また、足元には通称"コンビニフック"と呼ばれる、フックが装備されていることもあり、買い物バッグをそのまま取り付けられます。

 この上、荷台を取り付けたら、一人では持ち運べない量の荷物を積み込めます。



 ③ 燃費


 車との比較になりますが、ほとんどの大型スクーターの燃費は、ハイブリット車並みの高水準です。

 リッターあたり、20km~25kmは、普通にたたき出します。

 車種によっては、これ以上も狙えるでしょう。



 ④ クルーザーとしての最適解


 シティーコミューターとして最適解と申しましたが、高速道路を使用しての長距離クルージングでも、同じことが言えます。

 大型スクーターは、大型の防風シールドを装備していることが多く、このシールドによって、走行中の疲労を大きく減らす事が出来ます。

 このシールドは、にわか雨や冬の冷気などもある程度ですが防いでくれます。いや、ある程度と言うか、有るのと無いのとでは大違いのレベルで役に立ちます。

 また、積載量に余裕がありますので、旅行の荷物なども楽に積み込めます。



 ⑤ 二人乗りが楽


 後席のシート幅が広いので、無理なく二人乗りが可能です。足を置くステップも幅広で安定度の高いものが多いですね。

 高級クルーザーを除けば、二人乗り性能はバイク界で右に出る者はいないでしょう。



 ⑥ 操作が楽


 スクーターはクラッチ操作が必要ないので、アクセルワークだけで走行可能です。

 ガッチャン、ガッチャンしなくても、加速していきます。

 いい意味で、ぼーっと乗れます。



 ⑦ 意外に速い


 ここからは車種にもよますが、大型スクーターは結構速い。

 ストップした状態から時速50kmに到達するタイムは、並みの車よりも速いと言えます。ストップ&ゴーが連発する都市部では重宝するでしょう。

 高速道路での100km巡行も問題なく行えますし、山間を抜けるワインディングロードも、テクニック次第で快走できます。

 


 ⑧ 大人数のツーリングが楽


 参加人数が5人を超えたら、大型スクーターの方が楽だと感じます。

 大人数でのツーリングは、たとえ私以外の参加者が大型バイクであろうと、進行速度がゆっくりになりますので、楽に景色を堪能しながら、ゆったりとついていけます。




 ・欠点


 ① 相手にされない


 誰に相手にされないかと申しますと、他のバイク乗りから相手にされません。同じバイク乗りとして、認識されにくいという事です。

 特にツーリング先の駐車場では、それはもう、ビックリするぐらい綺麗に無視されます。

 

 バイク乗りってのは仲間意識が強いので、ツーリング先で見知らぬ者同士でも、バイク談義を行える生き物です。

 「いやー、このバイク、カッコいいですね」と、話しかけたら、半分以上の人は雑談に応じてくれます。

 私は結構やってますね。

 先日も道の駅で、BMWのカフェレーサ乗りのオジサンと、30分ぐらい話し込みました。

 しかしながら、スクーター乗りに話しかけるバイク乗りは、希少種です。

 ベスパなどの、よほどの高級レアスクーターでもない限り、話しかけられることはありません。いや、稀に発生はしますけど、本当に稀です。よくよく話を聞くと、同じスクーター乗りだったりすることがほとんどです。

 それほどまでに、相手にされません。

 知らないバイク乗りとお話するのが好きな私としては、切ない。

 


 ② 乗り方が違う


 私が初めて大型スクーターに乗った時、スクーター乗りの友人に言われました。

 「乗り方が変」と

 えーっと。スクーターにはスクーター独特の乗り方というものが存在します。

 なぜか?

 それは他の車種では、燃料タンクを両足で挟み込んで、身体をホールドするのですが、スクーターはホールドする位置が空白です。何もありません。空気が流れているだけで、燃料タンクは別のところにあります。

 この為、お尻で乗るという、独特な乗り方を習得する必要があったわけです。

 これが結構むずい。



 ③ ロマンが無い


 同じバイク乗りから相手にされない、最大の理由がこれです。

 スクーターは実用性に全振りしておりますので、他のバイク乗りが持っているカタルシスと言いますか、ロマンが欠片もございません。

 あるのは、現実(リアル)だけです。(ベスパやイタルジェットは除く)

 スクーター乗りと、その他の車種のバイク乗りとの会話は、リアリストとロマンチストとの会話になります。

 成立するわけがない。


 カスタムパーツも有るには有りますが、種類も少なく、快適装備が多い印象。高級バイクたちのきらびやかなカスタムとは、住んでいる次元そのものが違います。

 


 ④ 下りに弱い


 急な下り坂は、スクーターにとって地獄の一丁目です。

 車重が重い上にエンジンブレーキが弱いので、急な下り坂が長く続くと、酷使されたブレーキが熱で効かなくなります。

 突然に。


 マジで死ぬかと思った。

 下り坂は、ブレーキの発熱に注意しなければなりません。ブレーキオイルを熱に強いものに交換もできるのですが、抜本的解決にはなりません。

 まぁ、そうそう起こることではありませんが。



 ⑤ バンク角が足りない


 バイクを曲げる時は、車体を傾けて曲がっていくわけですが、スクーターはこの傾き角の余裕が多くありません。 

 ハイペースで走行していると、車体の腹やセンタースタンドが路面と接触することが、山間のワインディングロードなどでは頻発するでしょう。特に私なんかは、バイクは倒してなんぼの派閥の人ですから尚更です。

 これを放っておくと、最悪転倒いたします。




 以上でございます。

 私の中で大型スクーターは、楽で便利で楽しい手放せない生活必需品と化しております。

 くっそ速いスポーツバイクも所有しておりますが、どっちか一台にしろと言われたら、スポーツバイクを手放すんやろなぁ。

 



               終わり

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二輪車最高!! 大型スクーター編 加藤 良介 @sinkurea54

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