「魔空」
しかしだがしかし。彼女のツノは高く禍々しく、趣味の悪いゲーミングチェアにあったなりをしている。
女の子と見初めれば、一瞬きに怪物となる。ますます、人間の住む様な豪華な建物に住む理由が分からなくなってくる。
「確かお前はラブリエル。久しい気がするな」
「違う方で呼んでいただきたい。実際久しいよ、最後に会ったの五年前だもの」
「ああそうか」
まるで人間の様な会話であるから、つい私は打ち砕いて話した。そしてつい事態に
「魔王……様、可愛いですね!!」
「あぁ?」
「おいおい」
ラヴェルは黙し、魔王は怒り始める。人間の様な雰囲気でもなくなってしまった。
「どいつこいつも俺をナメるんだな……ラヴェルは良い。同じ聖職に就いているんだ。しかし人間、お前は違うだろ」
座中の魔王がこちらをにらみつける。私はまるで爬虫類の様に、ひたすらカーテンにしがみついていた。
「ご、ごめん」
「出ていけや」
放たれた言葉に従って体が動いていく。当の本人は動きたくもないのに。
「ごめん。良く言葉も分からずに君に接したよね」
「ああ無礼だ。カスだ」
直後、
「あっ」
「あぁ……まぁ、消えたのは人間だから良いだろ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます