<7>


 わたしは靴下のまま中庭にとびだし、そのまま裏門から校外へ走って出ました。

 なにも、思うことができません。授業中とか、勝手にとか、怒られるとか、どうでもいい。とにかく、逃げたい。

 走りながらどれだけ泣いたって声は出ない。大声で泣くこともできないから、きっと誰も気づいてくれない。

 それに、わたしは邪魔なんだ。

 ただの邪魔者のわたしは要らないんだ。

 ああ、諦められてもなければ、成長できてもいなかったんだ。こんなに悔しくて寂しいなんて。

 そんな思いで頭ががんがんしながら池の縁を走り、坂をくだり、またのぼって、ついに息が切れて立ち止まります。土埃で汚れた靴下の足が目に入って、弾かれるように空を見上げます。

 突然、我に帰りました。

 わたしは、今、学校を抜け出しているんだ。

 なんてことを。

 絶対に……見つかってはいけない。急速に焦りが湧いてきました。

 いや、見つからないなんて不可能です。わたしが体育館を出ていくところは見られていました。それに、授業中なんだから、いなかったら当たり前に不審がられてしまいます。

 ……でも、もしかしたら、捜してもくれないんじゃないかな。こんな邪魔者のことなんて。

 でも、でも、もういい。

 もうなんでもいい。

 わたしはできるだけ、遠くに行きたい。

 周囲をさっと見回します。空き家の多いこの辺りで、しかも平日で時刻は昼。人のひとりも見当たらず、静まりかえっています。

 やっぱり、行こう。

 わたしは痛む足を動かし、今度はゆっくりと、学校とは反対方向に歩き始めました。



 それから、どれだけの時間が経ったのでしょうか。

 コンクリートの破片が足裏に刺さりズキズキと痛みます。わたしは、変わらず住宅街の細い道を歩いていました。その道中では誰にも会わなかったと思います。

 ただ、今もまだ、わたしは怖さにふるえています。ぱたぱたとした足音が背後から聞こえてきていて、怖くて振り返ることができないまま逃げ続けているのです。

 その足音はだんだんと近づいてきています。

 ――もし、先生に、ばれていたら。

 どうしよう。

 怒られるじゃ済まない。

 言いようのない恐怖がわたしを襲います。

 ……でも。

「――なつりさん!」



 どうしよう……!

 5時間目の体育館での学年練習を終え、みんなと一緒に教室へ戻った姫花。そこに夏俐の姿は、ありません。

 てっきり、あいつから逃げて教室に戻ったんだと……いや、教室じゃないなら、保健室とか?

 そう思うやいなや、彼女は全力ダッシュで階段を駆け下りて、隣の棟にある保健室へ向かいます。一応ちゃんとノックをして開けた引き戸、その先には消毒液の匂いがあるだけで、そもそも養護教諭すら不在でした。

「うっそん、いないの!? てか逆に先生はどこにいるわけっ」

 もしかしたら入れ違いで教室に戻ったかもという希望も捨てきれず、姫花はまた廊下を走り始めました。途中、「おい!」という先生の声が聞こえた気もするけどきっと気のせい。

「……あ、あ、あのっ!」

「わっ、夕灯さん!?」

 靴箱近くの渡り廊下で声をかけられ、姫花は急ブレーキをかけました。目の前には、同じく不安そうな顔をした伴奏者の夕灯。

 あ、夕灯さんって、さっき夏俐のこと助けてくれたよね……。

「夕灯さんありがとう、夏俐逃がしてくれて」

「う、うん」

「それで、どうしたの?」

「な、なつりさん、い、い、いた?」

「……いない。保健室もだめだった。夕灯さんも捜してたの?」

 夕灯は、右手で左手をぎゅっと強く握りしめたまま、こくりとうなずきました。

「靴、あ、ある」

「靴はあるのか。じゃあ外じゃない……ん?」

「……ど、ど、どう、したの?」

「まさか……靴下のまま?」

「……え?」

 やばい、もたもたしてると6時間目が始まっちゃう……!

「おい、姫花!」

「えっ!? うわっ!」

「うわってなんだよ! ふたりともなにしてんだよ、早く戻れ!」

 現れたのはチョコレイトこと幼なじみの怜歩。姫花と夕灯を追ってきた彼も、顔に焦りを浮かべていました。

「夏俐さんなら大丈夫だ、保健室とかに行ってんだろ。それに今はひとりにしてあげたほうがいいんじゃないか。おれらは早く戻らないと……」

「……いないの」

「は?」

 姫花はぐっと涙をこらえて言いました。

「夏俐がいないの! 教室でも保健室でもないなら、もしかしたら……」

「……まさか、外に?」

「だとしたら誰かが捜さないと!」

「ま、待って」

 その言葉で、ふたりの鋭い視線が一斉に夕灯のほうに向きました。

「そ、相談室……かもしれない。………………っ行こう!」

「相談室って……どこだっけ?」

「おれも知らん。夕灯お前知ってんだろ! とりあえずついて行くぞ!」

「き、来て!」

 相談室があるのは、保健室のひとつ上の階。理科室や使われていない教室が並ぶ廊下の奥のまた奥です。

「せ、先生っ!」

 夕灯の珍しい大声。気づいた相談室の先生は駆け寄って来て、「どうしたの?」と心配そうに言いました。

「あ、あ、あの……」

 夕灯さんの話を遮っちゃだめだとわかっている姫花だけれど、このときばかりは1歩前に出て言いました。

「先生、夏俐は来ていますか?」

「え、夏俐ちゃん?」

「実は、さっきの音楽で――」

 事の一部始終を聞いた先生は、深刻な顔で首を横に振りました。

「夏俐ちゃんは一度も来てない。だからあなたたちが言うように、外に逃げたんだと私も思う」

「それじゃあ、先生に見つかっちゃったら夏俐は……!」

「そうね……」

 そのとき、遠くの教室からチャイムの音が聞こえてきました。

「6時間目、始まっちゃった……」

「どうする? 今戻ったら絶対に説教だぞ」

「………………ご、ご、ごめん。……ぼ、ぼくのせい」

 そのか細い声に、ふたりとも黙り込みます。

「……………………」

 うつむいて泣きそうになっている夕灯の姿が夏俐と重なって、姫花の中の何かが切り替わりました。

「……夕灯さんはなにも悪くない」

 姫花の身体の真ん中で、ふつふつとした熱いものがわいてきます。

 ……許せない。

 夏俐を泣かせたこと、傷つけたこと。

 そして、今もひとりぼっちだなんて。

「あたしは捜しに行く」

「おまえ、何言って……」

「先生ごめんなさい、聞かれたら捜しに言ったって伝えといてください。それとふたり、本当にごめん。教室に戻ったら、あたしが無理やりふたりを連れ出そうとして遅くなったって言って。それでも怒られるだろうけど、言わないより――」

「待てよ! 夏俐さんは自分から逃げたんだろ。追いかけてどうすんだよ、連れ戻すのか!?」

「それはっ……。でも、ひとりにしておけるわけないでしょっ!?」

「っ………………………………」

「3人とも、聞いてちょうだい」

「え…………?」

 気がつくと、さっきまで静かに見ていた先生が、にやりとした笑みを浮かべていました。

「先生は悪い大人だから、嘘もつけるの」

「……嘘?」

「夏俐ちゃんは授業を受けられる状態じゃないので相談室で休んでいて、大人の顔なんて見たくない。そして、親友の姫花さんがそんな彼女に付き添っている。これでいいかしら?」

「先生……?」

「男の子ふたりはどうしましょうか。事情聴取で先生に引き止められてて、ここはチャイムが聞こえづらいから私が6時間目開始に気づかずに帰してくれなかった、というはどう? 教室には今から先生も一緒に戻って説明するわ」

「ま、ま、待ってください」

 声を上げた夕灯に、先生は優しい笑顔を向けました。

「ぼ、ぼ、ぼくも、行きます」

「姫花さんと一緒に捜しに行くってこと?」

 うなずいた夕灯の隣で、怜歩が「はぁ」とため息をつきました。

「夕灯が行くならおれも行きます。そのほうが説明も楽ですよね? おれはそこまで夏俐さんと関わりがないから、姫花のやつが無理やり連れ出したってことにしといてください」

「ひどくないっ!?」

「ふふふっ。私は学校イチの嘘つきだから、上手く言っておくわ。みんな大丈夫よ」

「……先生は、怒られないんですか?」

「大丈夫なの。だって私は相談室の先生だから」

 相談室の先生という立場は、どうやらこの学校では最強らしいです。これも彼女の嘘かもしれないけれど。

「普通に校外へ出たら簡単に見つかってしまう。上履きのまま、この棟の非常階段を使って出なさい」

「わかりました」

「みんなは正しいことをしているの。怒られることはない。大丈夫」

 先生の強い声が、3人の胸に勇気の力を生みました。思わず顔を見合わせて、同時に大きくうなずきます。

 そうして3人は、忍び足で廊下を進み、重たい扉から外の非常階段へと出ました。

 コンクリート製の外階段。身をかがめてコンクリートの壁に隠れながら降りれば、隣の棟で授業している先生や児童に見つかることはありません。

「姫花、もっと頭下げて進め!」

「なによう、だって転びそうになるんだもん!」

「し、し、静かに……」

 3人のひそひそ声は風に乗って消えていきます。夏俐の泣く音くらい儚いものです。

 地面に降り立ったら、周りの細い木や茂った雑草に隠れて進みます。向かう先は、まずは裏門です。

 ――『体育館からだったら裏門のほうが近いし、正門はあまりに遠すぎる。混乱してる夏俐は絶対に裏門から出たはず』。

 学校の中庭に手入れが行き届いていなくて助かりました。色々なものに紛れて進めば、小さな身体の3人は簡単に校外へ出ることができます。

 門にたどり着くと、3人は作戦通り何も言わず一目散に駆け出します。最初の角を曲がって学校から見えなくなると、同時にブレーキをかけて止まりました。

「はぁ、はぁ……とりあえず第一関門はクリア?」

「だな、でもここからだ。どうやって夏俐さんを捜す?」

 これからの作戦は校外に出ることができてから考える、と決めていました。青とピンクと白の上履きが、輪の形に並びます。

「あたしたちは正門から帰る組だから、こっちらへんはあんまり知らないし……迷っちゃったら意味がないし」

「夏俐さんだったらどこに向かいそうとかわかるか?」

「わからない……そもそも、夏俐もこの辺の土地勘はないはず。家と真反対方向だから」

「……て、て、手分け、……しよう」

「手分け?」

「見つけるまで、も、戻れない、なら……い、い、いちばん」

「いちばん手っ取り早いな。たしかに」

「どんだけ迷ったって、どうせ夏俐を見つけるまで帰れないしね。よし、その作戦で行こう!」

「もし夏俐さんと会えたら、その場から動かずにいることにしよう。そしたら捜し回っている他の人もいつかは合流できるだろ」

「なるほど、了解了解〜。よし、じゃあ、行くよ!」

「おう!」

「………………」

 こうして、夏俐の大捜索が密かに始まったのでした。



 平日の昼間、しかもそこそこ田舎の住宅街というものは、恐ろしいほどに静かです。

 細い道には車どころか、散歩する人すらひとりも見かけません。無音で、生き物の気配がない。まるで、時が止まった世界に放り込まれたみたいです。

 寒くなってきたこの季節でも、真昼は少し暖かく、ずっと歩いているわたしにとっては少し暑いくらいでした。

 そんな住宅街を歩き続け、今はまったく見たことのない場所をひとりでさまよっています。

 階段や坂が多く、学校近くの空き家が多いエリアに比べて起伏に富んだ地区です。家々の間から、たまに小さな田や畑が顔を出します。

 やはりここでも人っ子ひとり見当たりません。心細さよりも、小さじ1杯分だけ安心感が勝ります。

 人の声も足音もしない。ここにはきっと、誰もいない。

 でもだめだ。できるだけ学校から離れないと。

 万が一抜け出したことが先生にばれていたりでもしたら、きっと怒られるどころでは済まないでしょう。だから絶対に絶対に見つかりたくないのです。

 でも、日が暮れたら? 夜になったら?

 家に帰るのも先生に見つかるのと同じことです。それに、そういえば荷物も靴も全部学校にあります。

 ……やっぱり、いつかは自分で戻るしかないのかな。

 ……嫌だ。

 絶対に嫌だ。

 あんなところ、もう二度と戻りたくなんてない。

 邪魔者ならいないほうが良いに決まってる。

 わたしはあの場にいたくない。あの場にとってわたしは邪魔。

 それなら、わたしが消えれば全部解決するじゃないですか。

 どうせ家族だってそうでしょ。

 娘は妹ひとりでも、あの家族は充分幸せなんだから。話せない上に可愛げのない子なんていてもいなくても一緒。

 姫花だって。

 ……わたしがいなくても、友だちはいる。少なくともひとりぼっちにはならない。

 わたしがいなくても、きっと、きっと、大丈夫。

 ……それなら、もう、やっぱり。

 このまま、わたしが消えてしまえれば。

 ――そう思ったときでした。

「……………………!」

 わたしの背後、遠くから、かすかに足音が聞こえてきました。

 一瞬で足がすくみます。早く逃げなければいけません。

 学校関係者ではなく近所の人かもしれませんが、この時間に、ましてや靴も履かずにあてもなく歩く小学生を見つけたらどうでしょう。放っておかない人のほうが多いのではないでしょうか。

 とにかく、誰であろうと見つかってはいけない。

 逃げなきゃ。……でも、足の裏が痛くてもう走れない。

 でも動かなきゃ見つかっちゃう!

 焦って、わたしはできるだけ早歩きで細い道を進み始めました。

 それから、どれだけの時間が経ったのでしょうか。

 コンクリートの破片が足裏に刺さりズキズキと痛みます。わたしは、変わらず住宅街の細い道を歩いていました。その道中では誰にも会わなかったと、思います。

 ただ、今もまだ、わたしは怖さにふるえています。先程のぱたぱたとした足音は消えずに今も背後から聞こえてきていて、怖くて振り返ることができないまま逃げ続けているのです。

 その足音はだんだんと近づいてきています。

 撒けない……ということは、やっぱりわたしを追いかけている?

 ――もし、先生に、ばれていたら。

 言いようのない恐怖がわたしを襲います。

 ……でも。


 でも、もしもわたしを捜してくれる人がいたのなら。


「なつりさん!」

「………………!」

 その声に驚いて、でも涙の名残のせいで素早く動けなくて、わたしはゆっくりと振り向きます。

 この声、って……。

 たった今下った、短い坂道を見上げます。

 そこには、やはり。

「み、み、見つけ、……た」

 夕灯さんが、息を切らして立っていました。

 ……え。

 なんで。

 なんで、…………彼がここに?

 驚きでかたまっていると、家ふたつ分向こうにいる彼は大きく息を吸って、言いました。

「なっ、なつりさん、ご、ごごめんなさい。す、す、すぐ助け、ら、られなくて」

「……………………」

「えと、えっと、それでっ、はあっ、はっ……」

 あんまり運動が得意じゃなさそうな彼が全力疾走してきたのか、まだぜいぜいと息が切れていました。

 なんで、そんな。

 なんで、わたしが抜け出したこと知ってるの?

 ……まさか、もう学校にはばれてるの?

 あと、あと、なんで、あなたがここに?

 言葉のすべては、今も音にはなりません。

「なつりさん」

「なつりさん、あ、あのっ、ね。一緒に……」

「……………………」

「怖い、かもだけどっ、でも、一緒に」

 一緒に学校に戻ろう……って、ことかな。

 でも、もう、学校に戻るのは……。

 怖くて、できない。

 どうしても、嫌だ。

 怖い。

 乾ききった目にまた涙がにじんできて、必死に隠していると坂の上の夕灯さんが下りてきました。

 彼が口を開きかけて、ぎゅっと閉じます。うつむいたあとに、何かを決心したようにわたしの目を見ました。

「…………っ、ちがう」

 目に宿る光は、のピアノを弾いているときと似ています。

「あ、あんなとこには、かっ帰らなくても。一緒に、な、なつりさんと、いっ、行くから」

「……………………」

「なつりさんはっ、……ひとりじゃない」

「ぼ、ぼくたちが、いるからっ」

 それを図ったようなタイミングでした。

 突然、わたしの背中に誰かがぎゅっと抱きついてきました。

 心臓がとびあがるほどに驚いたわたしですが、振り返る前にその正体を知ります。

「夏俐ぃ!! 捜したんだからね!!」

 姫花。

 そして、そのさらに後ろから聞いたことのある声がしました。

「おー、いたのか! とりあえず良かった」

 これは、怜歩さん。

 ……どうして?

 みんな、みんな、なんで。どうして。

 まさか本当に、わたしを捜して……!?

「見つかってよかったぁ!!」

 そんな。

 わたし、わたし……。

「………………………………」

 急に後悔と申し訳なさが沸騰して、ぼろぼろと涙が溢れました。

 ごめんなさい。ほんとうにごめんなさい。

 邪魔者のくせに自分勝手で迷惑かけてごめんなさい。

 この言葉も音にできなくてごめんなさい。ほんとうに……。

「わあっ、そんなに泣くなよぉ」

 さらにぎゅっと抱きしめてくれる姫花、彼女に連れてこられたのだろう向こうの怜歩さん、わたしのすぐ隣にいる夕灯さん。わたしはそのとき、みんな上履きでいることに気づきます。

 つまり3人とも、学校を抜け出して、わたしを捜しに……?

 そんな。

 わたしは、なんてことを。

 精いっぱいのごめんなさいを込めて、姫花をきつく抱き返します。

「もー……まさか誰も捜してくれないと思ってたのー? 自分から逃げ出したくせにぃ」

 姫花がいつものようなとびきり明るい声で言いました。

「絶対見つけ出すに決まってんじゃん! どこに消えてもね!」

「ま、そうだな。夏俐さん、こいつの執念なめないほうがいいよ」

「はぁ、執念って何? 愛情とか友情って言ってくんない?」

「ふふっ」

「さあ夏俐どうする? あたしはどこまで行ってもついてくよ!」

「ぼっ、ぼくたちいるから、だいじょぶだよっ」

 大丈夫。

 そうだ、考えてみれば、今に始まったことじゃない。

 入学してから今まで、学校にわたしが大丈夫な場所なんてひとつもなかった。安心できる姫花のそばにいようとも攻撃してくる存在はいる。絶対に大丈夫だって言える空間は、校内にひとつもない。たとえ相談室だとしても、そこは学校。

 でも。

 わたしと似た苦しみを持つ夕灯さんが大丈夫と言うなら。

 怜歩さんが笑わせてくれるなら。

 姫花が抱きしめてくれるなら。

 あの場所でもわたしは大丈夫かもしれない。

「あたしたちはずっと夏俐の味方だよ」

 もちろん嫌だし怖いし苦しい。

 それでも。

 ひとりじゃないなら、そんな学校でも、わたしは生きてゆけるかもしれない。

 ……戻ろう。

 みんなと、一緒に。



〝わたしはひとりじゃない。〟

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