第39話 一人歩き

 帰りの一人歩きは

 大人にしてくれると

 一日を振り返ってみても

 何も思いつくことは

 ないのだけど


 重い一息を

 幾度いくどかさねて

 大人になっていくんだろ

 きっと


 あの一言が

 相手を傷つけたんじゃないかって

 仕事以外のことでも

 思い悩むようになった

 じゃあ、どうすりゃ良かったんだよ

 そんな小さな後悔に傷つきながら

 引きずって歩く


 頭がそこまで回らない分

 失敗ばかりして

 いくつあっても足りない心臓が

 一つでも足りるように

 周りの反応なんか

 気にしない振りをして

 早く今日も終わればいいのにと

 外を見つめる


 馴染なじむまでは

 おかしな人

 それまでは、ひたすら仕事をやっていく

 潮目しおめが変わる日は、いつか見えないけど


 一人歩きは、良い時も悪い時も

 いやしてくれるから

 振り回されても

 変わらない自分が、そこにはいる


 ある時は、いじられ、おかしな自分で

 ある時は、そんな人たちに教えている自分がいる


 周りのごちゃごちゃは

 本当の自分を見てないから

 口出しはさせない

 独り歩きぐらいが

 ちょうど、いいんじゃない

 

 そう、優しく強くなった自分が手招てまねいている

 




























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