第23話 見えるもの

 いつも見ている世界は

 窓からながめる景色

 歩く同じ道

 嫌になるほど

 変わらない中で

 動き回っている


 きていく中で

 違う発見を探しに

 抜け出して外に出る

 どうしたら変わるのか

 新しいものに出会いたくて

 そればかりで頭が一杯だ


 変わらない景色が

 寂しさで足を引っ張る

 まるで離れていくことに

 罪悪感を感じるように


 でも、その気持ちよりも

 新しいところへ進みたい

 裏切りだと思われても

 昔、過去と仲良くしていれば

 生きやすいだろう


 大切なものを手放すわけじゃない

 大切な人を見捨てる訳じゃない

 いつか、分かってくれると信じて

 新しいところへ旅立ちたくて

 裏切りと思われても、一歩を踏み出した


 失敗して挫折ざせつするかもしれない

 もう、戻れないかもしれない

 それでも進みたくて


 静かに目をせて、旅立ちの時を迎えた

 いつも夢に見ていた

 いざとなったら怖くなった

 もう、行くしかなくて

 知らない世界は誰も守ってくれなくて

 優しかった思い出をお守りに

 飛び立った


 空から見える景色は

 いつもと違っていて

 涙が流れるのを必死でこらえて

 自分で決めたことだから

 離れることも、知らない人だらけ

 寂しさも不安も

 全てを抱えて歩んできた


 それでも見えるものを変えたかった

 裏切り者と新参者しんざんもの狭間はざま

 新しいものを見たかった

 そこに希望なんて微塵みじんもなくて

 不安をかくした覚悟しかなかった


 カッコつけて見たかった新しいものは

 泥臭く、がむしゃらに

 必死に生きていく自分をうつしていた景色だった








































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