星に願いを、欲しいままに。

あめはしつつじ

星に願いを、欲しいままに。

 僕は流れ星を、クラウチングスタートの構えで待っていた。

 きらり、と光るものが目に入った瞬間。ロケットブーツで僕はフライングした。

 ブーツによって、光速の99.99パーセントまで加速した僕は、あっという間に流れ星に追いついた。

 なんて、のろまなんだろう。僕は流れ星と並走どころか、その周りをぐるぐると周る余裕さえあった。

 流れ星が消えるまでに、願い事を三回唱えることができれば、その願いが叶う。今の僕にとって、そんなこと、簡単すぎる。願い事を歌った。

 ポケットをたたくと、ビスケットが一つ、もひとつたたくと、ビスケットが二つ、そんなふしぎなポケットがほしい。

 僕が着ている服に、胸ポケットができる。

 スローモーな流れ星を、ひょいとつまみ、胸のポケットに入れる。

 ぽん、ぽん、と叩くと、僕の胸から、流れ星が、ひとつ、ふたつ。二条の光が流れだす。

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