第17話 リーナ、王都に降臨す

 

 リーナは、流石に、国王からの手紙を無視する訳にはいかないので、王都に行く事となった。


 なんか、お付の人として、アーモンド侯爵とエドモンド様も付いてくるらしい。

 どんだけ心配性なのだろう。


 だって、エドモンド様に至っては、毎日、リーナの部屋に会いに来てたし。

 そして、リーナが、部屋のベッドで本を読み漁ってるのを幸せように見てるだけ。

 本当に怖いんだけど、リーナは、エドモンド様の相手をする気は、全く無し。

 居ない人として接している。


 前なんか、ミミと一緒に寝てる夜中、気配がすると思って、ハッ!と起きたら、エドモンド様が、ジー!と、リーナの顔を見ていて、本当に、ドキッ!とした。

 まあ、居候なので、敢えて文句も言わないし、サラが見張ってくれたので、別にいいんだけど。


 前なんか、ミミとお風呂に入ってたのまで見ていた。お風呂はガラス張りだから見えちゃうんだよね。

 だけど、これも居ない人として接する。まあ、一応、婚約者なので、裸くらいみせてやってもいい。


 その気になれば、エドモンド様のステータスも弄れるし、危険を感じたら、種族の欄を犬にだって出来るのである。


 まあ、こんなおかしな状態になってるのは、リーナにも問題があったりする。

 最初に、リーナの部屋に来たとき、本を読んでたので喋り掛けるなと言ったのだ。

 それに対して、ブツブツ言ってたので、喋り掛けないなら、いつでも来ていいし、勝手に部屋をブラブラしててもいいからと言ったのだ。


 基本、リーナは相手にするのが面倒臭いのだ。

 空気として居るなら、なんら問題ない。


 エドモンドは、それを悪用して、リーナの裸を見にくるようになったのである。

 偶然を装って。


 でもって、王都に行く最中、エドモンド様と同じ馬車なのだが、いつものように空気になってくれている。


 リーナはというと、お付のメイドのサラに膝枕して貰っている。

 サラは、リーナの膝枕係もしているのである。

 ミミは、モフモフ係で、ミントは、足のケア係。


 本当に極楽だ。


 やはり、忠実なメイドを侍らすのは、正解である。どんだけダラケても怒られないから。


 リーナは女性恐怖症だが、既に、身内のようなこの3人には、全てを委ね甘やかして貰っているのである。


 そして、3日間の馬車旅を経て、王都に着いた。

 王都では、アーモンド侯爵家の王都の屋敷に泊まるらしい。

 王都の部屋にも、キッチリとリーナの部屋が用意してある。


 しっかり、書庫に部屋が作られており、こちらは、王都で出版されてる最新刊が豊富。


 領地ではのんびり本を読めるが、王都の屋敷では、見た事が無い本がたくさん有るので興奮する。

 多分、今日から何日間かは、徹夜決定である。

 というか、暫く、アーモンド侯爵領には帰りたくなくなった。


 ーーー


 王都について2日目。今日は、王様との謁見の日。


 流石に、これはキャンセル出来ないので、とっとと終わらせて、早く部屋に帰って、新刊を読みたい。


 とか、思いながら王の間に通される。

 リーナは、アーモンド侯爵とエドモンド様の後を着いていくだけ。


 全く緊張はない。

 だって、今の王様とは、大賢者モッコリーナ時代に何度も会った事があったから。


 そう、リーナは、モッコリーナ時代、王家にエリクサーを直接、卸してたのである。

 因みに、110歳で大往生した時も、王様はモッコリーナの元に駆け付け、最後の死ぬ時まで見舞ってくれた。


 話によると、大賢者モッコリーナの葬儀は、国葬だったらしいし。

 大賢者モッコリーナ時代、実は、一番仲が良かったのは、現国王だったりするのだ。


 だって、その当時、大賢者モッコリーナと対等に話せるのって、国王ぐらいだったし。


 そんな理由もあり、リーナは、国王との謁見だというのに、ふぁ~と、欠伸をしているのである。


 昨日、徹夜だったから、しょうが無いよね。

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