怪物だらけの世界でも、俺は絶対に生き抜く！

第2話 精神疾患？！

朝仓喜作、18歳寸前の若者。彼の外見は淡々とした雰囲気と成熟感を醸し出している。ふんわりとした髪に黒いフレームのメガネ、全体的には風変わりな印象。シワクチャシャツに軽い黒のジャケットを羽織り、下半身は色褪せたデニムパンツを履いている。この風変わりなスタイルは、彼の端正な容姿を隠すようなもので、人ごみの中でも彼を目立たなくしている。

高校から大学まで一貫して同じ。成績優秀で、人付き合いも上手で、助けを求める人がいれば手を差し伸べ、スポーツイベントにも積極的に参加し、後輩が告白しても丁寧に断る。週末には友達とゲームセンターに行くこともある。人間関係の面ではまさに文句なしと言える。

しかし、彼はまるで役割を演じているようであり、学生生活に対するその熱狂は外見上のものに過ぎない。彼の認識では、学生はこうあるべきだと。誰に対しても穏やかでありながら、同時に全ての人と距離を保つ。

学校では非常に人気があるものの、彼と近い距離で接触した人はほとんどいない。

しかし、彼は今、非常に重要な出来事に直面している。

——

「お名前は？」

「朝倉喜作。」

「年齢は？」

「・・・18歳」

カルテに没頭していた医者が顔を上げ、変な表情で目の前の若者を見つめ、疑問に思いました：

「では、まず、君の症状を話してくれるか。」

「わかった。」

喜作は頷いて応じた。

「実は、常に変なものが見えるんだ」

「変なもの？それって目が不快なわけじゃないのか？」

「いや、どちらかと言えば・・・」

医者は頭を下げて机の上のカルテを見ながら質問しました。

「涙が出る、光を嫌がる、痛みのような症状はあるか？」

「いいえ…」

カルテをめくっていたところで、医者は手を止め、眉をひそめました。

「君、以前の交通事故で目にけがをして、その後角膜移植手術を受けたんだね？それで移植手術による後遺症か？それとも検査を受けたことがあるか？」

「もう検査は受けた。」

言いながら、喜作は足元のリュックから検査結果と診断書を取り出し、医者に手渡した。 検査結果を見ると、彼の両目には何の問題もなく、他の移植手術患者と比べても、かなり回復しているようでした。

「・・・結果を見る限り、君の目は健康だね！それなら具体的に、一体どんな变なものが見えるのか教えてくれないか？」

「・・・」

喜作はしばらく黙っていて、視線があやふやで、喉がわずかに動き、深い色になっていた。

「大丈夫、ただ君の現在の症状を把握するために必要なんだ。」

医者は穏やかなプロの笑顔を浮かべ、目の前の若者をなだめた。

喜作は深呼吸して。

「時々、道を歩いていると、ぼんやりとした影が見える。まばたきすると、彼らは消える。そして時々、变な音が聞こえることもあるんだ。」

「具体的にどんな影や音か教えてもらえるかな？」

「・・・ほとんどの影はぼやけて見える。具体的に言うなら、夜になると、一瞬で消える人影が見える。ちょうど目の前にいたのに、我に返ると見えなくなる。音に関しては・・・」

喜作はしばらく考え込んでから続けた。

「夜中に寝ていると、ガラス玉が床に落ちる音が聞こえたり、深夜にトイレから水の音が聞こえたり、窓の外で誰かがため息をつくのが聞こえることがある・・・」

「待って！」

医者が声を上げた。

「君の言いたいことは、幽霊を見たってことだね？」

「先生、ここは病院だから、僕は現代医学を信じてここに来たんだ。そういう誤解を招くようなことは言わないでくれ。」

喜作は真剣な表情で答えた。

「それに、この世界に幽霊なんて存在するはずがない。」

医者は気まずいそうに笑った。

「確かに。」

ここ数年、都市伝説が増えすぎて、噂がたくさん立って、人々を気味悪がらせている。

医者は笑って続けた。

「それらは君の心理や他の原因と考えられる。」

カルテから見ると、目の前の若者は非常に健康で、彼が説明した状況を引き起こす病理学的な原因は何もありません。それならば考慮できるのは彼の心理的な要因だけ。

「もしその原因を考えるなら···」

医者は一呼吸おいて重く続け。

「出口に左折して、精神科に行ってみろ。こっちには有名な教授がいるから···」

「結構だ、今、そっちから逃げ出したばかりだ。」

＿＿＿＿＿＿

もちろん、喜作は精神疾患ではない、少なくとも今はそうではありません。

昨年の事故でけがをし、入院したものの、一時的に失明し、頭が血を流し、脳震盪と診断されましたが、彼は自分の頭が壊れていないことを確信している。

「医者が患者に除霊を勧めるなんて、冗談じゃない！」

バス停で座っている松岗喜作は憤慨して考えていますが、しかし、このような結果に対して、彼は手をこまぬいてしまった。

今回の検査も結局は精神病患者として扱われ、他の病院での結果とまったく同じでした。

「ああ···」

ため息をついて、ポケットから携帯を取り出し、ツイッターにログインして、目に入るさまざまな都市伝説で満ちており、

「目撃！魔法少女！」から「吸血鬼殺人事件」まで、さまざまな変なスレが並んでいます。

「こう言うものが存在するなんて、どう考えてもありえないよ。」

「キーッ」

バスのブレーキ音が響く中、喜作は頭を上げた。扉から降りてきたのは、黒い髪少女だった。彼女は星のヘアクリップをつけ、黒いロリータドレス、黒いタイツ、黒い長靴を履いていた。背中には長いバッグを背負い、まるで木剣のようだった。

（――この子、どこか見たことがあるか？！）

突然目を覆ってしゃがみ込み、強烈な痛みが目に突き刺さるような感覚が広がった。

（――痛い！痛い！）

痛みが和らぐのを待ちながら、喜作は何とか立ち上がった。彼の大脳の中でまるで迷霧が晴れるかのように、封印されていた記憶が鮮明に蘇った。

目の前の少女は屋上で自分を助けてくれた人だ！

「待って！」

喜作は彼女に声をかけた。

少女は声を聞いて、ゆっくりと頭を振り返った。

「何か…用事…がありますか？」

少女は声を聞いて、ゆっくりと頭を振り返った。

「あの、変な話かもしれないけど。君、屋上で助けてくれたの、覚えているかな？」

「えっ？どうして……覚え……ているんですか？」

少女の表情は驚いたように見えた。

「やっぱり夢じゃなかったんですね、できれば、何があったのか教えてもらえるか？」

「あの…すみません…話す速さをもう少し遅くできますか…」

「え？」

喜作が驚いた表情を見せ、 少女は赤くなっていた。

「それでは……どうお伝えしましょうか、考えさせてください。」

少女は深く考え込み、措辞を考えているようでした。

（——クールそうな外見とは全く異なるタイプだな。）

喜作は、少女の戸惑った表情を見て感嘆の声を漏らした。

「じゃあ…もしよかったらついて……きてください。ちょうど……私もその人を見舞い……に行くんです。」

「え？ついていってもいいですか。」

「大丈夫、たぶん。」

そう言って、少女は振り返らずに医院の大門に向かって歩き始めた。喜作は彼女の背中を見つめ、その後をついて行った。