恋愛小説?

小説太郎

第1話

「 おねえさん、趣味は何~?」

男は、初対面の女にいきなりそんなことを聞いた。

「 えっ、何なんですか~?」

女は、びっくりしてそう言った。

「 いや~、ひょっとしたら趣味が同じじゃないかと思って。で、もし同じだったら、たまにでいいから、一緒にその趣味を楽しむことができたらなと思って。」

男がそう言っても、女は黙ったままだった。

彼氏がいるか、俺みたいな男は全然興味ないか、あるいはその両方のいずれかだろうなと男は思った。

「 俺、見た目、そんな良くないからごめんね。」と男は言った。

ここで、「 ホント、良くないですね。」とか「 わかってるくせに、どうして声かけてくるんですか?」とか言う女は、今時まずいない。

「 いえ、そんなことないですけど。」とか一応言うであろう。

そう言われたからといって、「 何だ。俺は、結構カッコいいんだ。」とか思ってはいけない。

常に自分を冷静に把握する必要がある。その上で何ができるかである。

ご多分に漏れず、この物語の女も「 いえ、そんなことないですけど。」と言った。

そう言われてどういうリアクションを取るかで、その後の男女の付き合いがどうなっていくかが決まってくる。

「 いや、俺、自分でもわかってんだよ。だけど、おねえさん、あまりにも素敵なんで声をかけざるを得なかったんだよね。十年に一度でいいから会ってもらえない?」

「 ハハハ、そんなに空いてたら忘れてしまいますよ。」

「 じゃあ、一ヶ月に一度くらいでもいい?」

「 う~ん。難しいです~。」

「 そんなこと言わないでよ。何、普段、仕事とかで忙しいの? おねえさんは。」

こういうセリフを言う時でも、言い方が大事である。

自分に合った言い方をしないと、とんだ恥をかくことになる。

「 そんな忙しいってことはないけど、確実に空いてる時ってないわ。いつ予定入るかわかんないんで。」

「 そう。だったら、予定入ったら連絡してよ。俺と会うのは又の機会でいいから。」

これに対して相手の女がどう言うかも、一つに決まったものではない。

内容的に同じようなことを言う場合でも、今後の成り行きがかなり違ってくる場合もある。

例えば、「 う~ん。やっぱり、いいわ、おにいさん。ごめんなさい。」というのと「 すみません。遠慮します。」では、女が男をどう思い、どう対応しようとしているかに大きな違いがある。

又、後者のセリフの「 すみません。遠慮します。」が「 すみません。遠慮しときます。」であっても、微妙なニュアンスの違いがある。

又、同じ「 すみません。遠慮します。」という場合でも、女がどんな表情でどんな言い方で言うかで大きな違いがある。

又、同じセリフを同じ表情で同じ言い方で言う場合でも、本音で言ってるのか、演技をして言ってるのかで大きな違いがある。

しかし、こんなふうにこまごま書いていると文字数が一億字以上になってしまうかもしれないので、いい加減このへんで終わりにしておく。

ところで、私は何を書くためにこの文章を書いていたのだろうか?

う~ん、思い出せない。

したがって、この文章はこれで終わりにさせていただきたいと思う。

ホント、何とお詫び申し上げてよいのやらお詫びの申し上げようがないというお詫びの申し上げようがただ一つ存在するのみである。

ホント、何とお詫び申し上げてよいのやらお詫びの申し上げようがない。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

恋愛小説? 小説太郎 @shousetutarou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る