2話 5章 蜂蜜レモン水/手作り素麺(そうめん) 25

 「…おぉぉ、…!」

 その様子に、ジョンドは弱々しくも、感嘆の声を漏らした。

 隣でブランモンも、安堵の溜め息を吐いた。

 「…うぅむ。…旨かったぞ。…これなら、また食べたい。…でも今日は、もういらないから、また明日、用意しなさい。」

 と、マーチスは皿を返しながら、命令を告げていた。

 対してジョンドは皿を受けとりながら、

 「いえ、安心しました。…御命令通りに、明日も同じ様な料理を用意させます。」

 と、返事をしつつ、恭しく御辞儀をしていた。

 さらに、ブランモンも話に加わってくる。

 「…は、はい。…作り方は覚えましたので、同じ物を再現する事は出来ます。…今回は急拵えでしたが、…次は栄養のある材料で御用意します。」

 「…それなら、…お医者様は、身体から熱を排出させる食べ物が良いとも、言っていたな。…何か、良い材料はあるのだろうか?」

 「…そうですね。…この時期に手に入る物なら、…果物や、…野菜が適しているかと。…」

 「…あ!?…それは、…」

 しかし、その途中でジョンドが戸惑いを露にし、慌てふためきだした。

 すると次の瞬間に、ー

 「や、野菜だと!!?…」

 「は、はい?」

 「嫌じゃ、嫌じゃ!…ワシは、野菜なんて絶対に食わないぞ!!」

 と、マーチスが唐突に騒ぎだす。さらにベッドに横たわると、掛布団を頭から被って籠ってしまった。

 「ま、マーチス様!」

 すぐにジョンドが何度も呼び掛け、両手で布団の膨れた部分を揺する。

 だがマーチスは無視して、全く反応しなくなっていた。

 「ええぇ!?!」

 そんな様子にブランモンは驚いて、戸惑いだしていた。

 「「ええぇぇぇぇぇ!?!」」

 ついでに、部屋の外からも大きな声がしてくる。

 ブランモンが我に返ると、振り向き様に確認しだす。

 その視線の先、ーー扉の隙間からは、少女達が驚く姿があった。

 サーラは目を見開きながら、ポカンとしている。

 隣ではメローナも、口元を押さえて、固まった様に動かなくなっていた。

 それから周囲には、気まずい空気が漂いだし、

 やがて廊下の奥から、村人達が駆けつけてくるまで、同じ状況が続いていたのだった。

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