2話 5章 蜂蜜レモン水/手作り素麺(そうめん) 23


 ※※※


 サーラは、ひたすらに廊下を走っている。ずっと立ち止まらずに、目的の場所を目指して、前へと進んでいた。

 やがて屋敷の二階にまで辿り着き、廊下の奥の部屋の前に、やって来た。

 そこは、マーチスの部屋である。さらに扉が微妙に開いており、中の様子が露になっている。

 その前には、メローナがいた。顔を近づけて、隙間から室内を覗き込んでいるようだ。

 ようやくして、サーラも側まで近づいてきた。

 「…あ、貴女!」

 と、メローナも気がつき、振り向き様に驚いているも、すぐに再び顔を向き直らせて、隙間を覗きこんでいた。

 サーラも同じく、扉越しに室内を確認するのだった。

 すると部屋の中では、手前側にブランモンがいた。

 その奥、ーーベッド側には、ジョンドがおり、マーチスの介抱をしている。

 ちょうどマーチスも、ベッドから上半身を起こした。

 すかさずブランモンは、話しかけた。

 「…マーチス様。…新しい料理を、お持ちしました。」

 「なんじゃと?…何度も言っているが、…熱い料理は食わないぞ。」

 対してマーチスは、文句を言い、突っぱねる。

 「…マーチス様。…そう言わずに、何か食べないと。…お身体が。」

 と、ジョンドも、宥める様に言葉を選んで言う。なんとか場を取りなそうとしているようだ。

 しかし、全く効果はない。

 マーチスは、首を横に振って、拒否を示すだけだった。

 それでもブランモンも負けじと、喋り続けて説明をしていく。

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