間章 波乱の事件と再開 16

 その間に、サーラも立ち上がると、辺りを見渡した。

 やはり周りには、メローナの姿がないようだった。

 さらにジュスティーヌが踵を返し、スカートの裾を持ち上げたら全力で走り出した。目指す方向には、路地裏があり、瞬く間に姿が見えなくなる。

 「ん?」

 ふと同時に、サーラは反対方向に気配を感じ、すぐに顔を振り返らす。

 そちらでは、トーニャが別の路地裏に駆け込んでいく姿があった。

 サーラも思わず、後を追いかけていく。


 その姿を、遠くから二人の人影が見つめていた。

 そのうちの一人が、「あれは、…」と、小さく呟いていたのだった。

 


 ※※※


 その路地裏は暗く、狭苦しい。ちょうど大人が一人で通り抜けられらる幅だ。

 おまけに横路が多く、足元も悪く、たまに塵が散乱していた。

 しかしトーニャは、ずんずんと前に進んでいく。さらに右へ左へと明確に道を選んで、走っていく。

 「トーニャ!」

 と、サーラは走りながら呼び掛けた。

 するとトーニャも気がつき、走りながら後ろを振り返ると、驚いた表情となって喋りだす。

 「さ、サーラ様!…なんで付いてきてんですか?」

 「いや、なんか思わず付いて来ちゃって、…」

 と、サーラも申し訳なさそうに答える。

 そのまま二人は同じ状態で、話を続けだした。

 「いや、付いて来ちゃったって、……。」

 「ごめん。…でも何処に行くのさ?!」

 「…何処に、って。この先が市場に通じていて、…衛兵さん達の詰所があるんですよ!…この道が近道なんです。…あたいが呼んできますから、ジョンドさん達と一緒にいてください。」

 「えぇっと、ごめん。…もう何処にいるか解らない。」

 「えぇ!?…わかりました。…あたいに、離れず付いてきてください。」

 と、トーニャは困惑気味に言うと、話を締めくくり、さらに走る速度をあげていた。

 それにサーラも、必死に付いていくも、普段と違いドレスを着ていて動き難く、だんだんと距離が空いていた。

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