第27話 ギルドマスター

 俺たちは受付嬢と一緒に俺はギルドマスターの執務室に向かう。 

 サキは俺の持っていたライブラリーカードが高額の賞金首である盗賊団の首領のだと気が付き、慌ててギルドマスターに報告したらしい。俺はただ冒険者登録し、その後盗賊のカードをどうすればよいか相談したかっただけなのに、なんでこんなことになるんだ?


 俺はエリスを見るが彼女も同じく困惑している。彼女は俺に従ってきたが、俺の正体を知らない。俺は元々は現代の日本に住んでいたが、ある日突然、異世界に転移してしまったことはまだ話していない。


 しかし、俺はこの世界のことをほとんど知らないし、自分がどこにいるのかも分からない。町の名前は分かったが、国の規模やそもそも国の名前すら分からない。

 俺はただ、この世界を旅して回りたいんだ。


「え、えっと、これはどういうことなんだ?俺は何か悪いことをしたのか?」


 取り敢えず受付嬢のサキに尋ねるが【後にサキと名乗る】、彼女は答えない。俺に厳しい目を向けている。ジト目ごちそうさまです。

 彼女は俺がどうやってこのライブラリーカードを手に入れたのかに疑問を抱いている?

 俺はともかく、エリスを変なことに巻き込みたくなかった。の


「あなたたちはこれからギルドマスターに会ってもらいます。黙って私についてきてください。今すぐです」


 サキは俺に言って、手首を掴みを引っ張っていく。観念してついていくと言うまで話さなかったな。結構強引だが嫌いじゃない。


 サキもテンパっており、スカートのガードをまともにしていなかったようで、階段を先に進む彼女を見上げる形だ。

 そして俺は目を見張った。


「眼福だなあ!おっ!清楚な水色か!良いねぇ」


 俺はおろおろするエリスとは裏腹俺にお気軽に呟いた。

 俺は男としてこの世界の女性に興味がある。彼女たちは美しくて、色々な種類がいる。俺はサキのようなキャリアウーマン系は好きだ。だがエリスのようなの健気な女性も好きだ。エリスは俺のことを主人としてにつき従っているが、彼女をパートナー、つまり対等の仲間として見ることを決意している。彼女は俺に救われたことで自分の人生に希望を見出し、尽くすことで自分の価値を証明したいと思っているようだ。

 しかし、俺は彼女には奴隷としてではなく、自分と同格のパートナーとして接して欲しい。まあ、首輪をしているから難しいんだろうけどだな。

 俺は彼女の顔に戻りつつある生気を見逃さない。


 俺たちはギルドマスターの部屋に向かっているが、木の階段を上り複雑な彫刻が施された扉を押し開けると、そこには広々とした部屋が広がる。中央には大きな机が置かれ、壁の本棚には数多くの書物が並ぶ。世界中の様々な冒険の知識が詰め込まれている。


 ドワーフのギルドマスターは思慮深い眼差しで俺たちを迎える。彼はこの町の冒険者ギルドの長であり、多くの冒険者から尊敬と恐れを受けている。彼は自らもかつては優れた冒険者であり、数々の伝説を残している。その威圧感にエリスは震えてしまうが、俺は平然としている。俺はこの世界に来てから、様々な危険に直面してきた。俺はドワーフのギルドマスターに対しても、恐れることはない。


 俺はギルドマスター?の睨みを無視してちょうど品とかを眺めブツブツつぶやいていた。

 受付嬢が声を掛けるまで無視を決め込んでいた。いきなり睨めつけるのはどうよ?怖くはないけどさ。


「お前ら、ギルドをなんだと思っている?」


 ドワーフのギルドマスターがキッと俺とエリスに厳しい視線を投げかけけ、威圧的に声をかけてきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る