2、射法八節をテキトーにやってみる。え、怒られる?

「まずは射法八節しゃほうはっせつを覚えよう」

 と、言われたことは弓道部あるある、だと思います。しかも、これは何週間か部活をやってれいれば自然と覚えることでしょう。

 だって毎日のように同じ動作やっていればね、正直なところ飽きますよね。

 ですが。

 先輩が弓を引く姿を眺めていて、「あれ、射法7節じゃない?」と思ったこと、ありませんか?

 もしくは「射法9節」だったり。

 それでね、先輩やらに指摘すると「別にいいんだよ」みたいなこと言われるんですよね。

 なんという理不尽!!

 と考えるのも良いでしょう、基本は射法八節ですからね。ただ私の場合、射法七節だろうが九節だろうが、どっちでもいいと思います。

 その動作が〝何を目的としている動作なのか〟を理解していれば、自分に適した射法〇節を開発してくださいな。


 問→射法八節は厳守するべきですか?

 解→段や級の審査じゃなかったら、無視していいです。


 こんなことを言ったら、数多くの弓道家達から「けしからんわ!」とか言われそうですが。もっこす流と定義しているので、気にしないでおきます。「はじめに」、に書いてますからね!


 そもそも一呼吸、といった部分を動作の節目にするならば、射法八節になっていない人は多いかと。審査のために射を変える人も、周りにはいましたしね。

 ……え、私の周りだけ?

 まぁここで、射法八節をおさらいしておくと。


 1、足踏み

 2、胴造り

 3、弓構え

 4、打起し

 5、引分け

   *正面打起しは大三だいさんの動作、

   *斜面打起しは3分の二さんぶんのにの動作がここに含まれます。

 6、会

 7、離れ

 8、残心


 とまぁ、それぞれの動作にメリハリをつけるべく、存在するのでしょうね。

 そうそう。ちなみに動作の基本的な説明は省略します、長くなるので。そこは先輩にでも聞いてくださいね。

 もしくはネットで検索すると、色々と図が登場しますからね。特に目につくのは、おっさんの絵なのに性別不明のやつ。弓道教本、あなたの分身ですよアナタの!


 ほい。

 よくあるのは、弓構えから会にかけての間(3~6)。

 それぞれの動作に一呼吸があったりなかったりするのです。

 流派、正面打起しは必ず大三をしますが(弓を押し開き、手の内を絞る動作)、流派、斜面打起しの場合、三分の二(引分けのとき、どっか途中で一度停止する動作)はすっ飛ばす人が多いです。

 もちろん、流派によりますがね。私は三分の二をすっ飛ばすタイプの射でしたわ。ほっほっほ


 ここで、射法八節で特に気にする部分を考えてみますね。

〇まずは流派、正面打起しでの場合。


 4、打起し(肩の位置)

 5、引分け(手の内と背筋を開く方向、その向き)

 6、会(伸び合い)

 7、離れ


〇つぎに流派、斜面打起しの場合。


 3、弓構え(手の内の固定)

 4、打起し(体のラインと肩の位置関係)

 5、引分け(弦を引く方向、力の向き)

 6、会(伸び合い)

 7、離れ


 と、これはあくまで私が考える動作のポイントです。

 正面打起しと斜面打起しでは、その動作は同じであっても、気にするポイントって結構違うんですね。

 弓を引く動作とした場合、流派によりその引き方が違います。要は長所。

 例えてみます。


1、正面打起しは、体に近い位置で、負担なく弓を引きやすい。

 ここで、つがえた矢のラインを水平とし、それを基準とした場合。

 その位置(矢のライン)は、弓構えから引分けに移る動作の時点で、左右の肩幅を結んだラインと近い位置にあり、かつ目線より上の位置になりやすいため、主に背筋はいきんを使用して弦を引きやすい。

 つまり、上から真下に矢を降ろすイメージです。


2、斜面打起しは、最初から押手を固定し、腕力+背筋を使って弓を引きやすい。

 ここで、つがえた矢のラインを水平とし、それを基準とした場合。

 その位置(矢のライン)は、弓構えから引分けに移る動作の時点で、左右の肩幅を結んだラインから遠い位置にあり、かつ目線の近く(上下の高さ)になりやすい。

 そのため、腕力を使えば、大きく引きやすい。

 つまり、奥から手前に矢を持ってきつつ、降ろすイメージ。


 簡単にイメージ分けすると、だいたいこんな感じです。

 それで。

◯正面打起しの場合、大三の動作で、弓に割って入るって人が多かったです(私は違うけど)。

◯斜面打起しの場所、3分の二の動作で強引に引いたあと、左右の力加減を調整するのに一時停止させ、最終的には弓に割って入った状態にするんですね(私はそう思ってます)。


 つまり、射法八節という動作を厳守したところで、流派によって違う細かい部分、その技術に対応出来るほど、万能ではない。

 射法八節とは、弓を引く基本の形であり、模範解答の一つである。

 と、私は考えてます。


「おん? 弓に割って入るってなんだ?」

 うーんなんでしょうね(笑)

 例えば、会の時に胸弦がつかないのは、ここらへんが原因だったりします。もちろん姿勢が関係していたりもしますけど。

 筋トレで使うような「エキスパンダー」を限界まで左右に引っ張ろうとすれば、胸筋や背筋も使いますよね?

 要はそんな感じ。

 ちなみに設置した重心が軟弱だと、体が動く。

 と、いうことは……。

 あ、会は狙って引っ張って離すだけですね。

 残心は、まぁハートかな。


 ですから、射法八節にとらわれず「自分の中ではこれだ!」があるなら、ガンガンやりたいように弓を引けばいいと思うわけですわ。なんたって、的中したほうが楽しいっしょ!

 もし、美しさを追求する稽古をするのであれば、それこそ級や段を取得するために稽古するのをオススメします。私の同級生にいましたけど、それはそれで1つの楽しみ方ですよね。

 

 ただし、1動作1動作をテキトーにやってもいいってことではないです。自分の射を分解した結果、人に射法〇節として細かく説明出来る。ここを目指しましょうってことですわ。

 するとね~練習に慣れてきた頃に、ふざけて変な事をやっても、自分の射はおかしくなりませんからね。

 いつか、射法一節について語ります(危険だし珍妙なので)。


□まとめ。

 射法八節は、弓を引く基本動作であり、的中するためには必要だと言われることが多いが、必ずしもその限りではない。自分に適していると思った場合、射法〇節にすることも試してみるべし。


 決まりに囚われず、楽しく弓を引ければそれでいいのですよ。

 伝統とか言いますが、昔の人と比べると、現代人のほうが体も大きいし、栄養のあるご飯が食べれますからね。

 良いところは吸収しつつ、自分の射を研究してみてくださいね。 

 まぁ、私論ですけどね。

 これから弓道やってやるぜって人は特に、頑張ってくださいね!

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