4、弓道の立ち位置、チーム力はどう影響する?(高校弓道編)

 弓道は個人競技でしょう、と言う人もいます。

 それも一理ありますし、それはそれでいいと思いますよ。

 しかし、ここでは弓道部としての「チーム力」にスポットをあてて、あれこれ語ります。

 特に弓道でいう「立ち位置」、これはチームの合計的中数に大きく影響すると考えてます。


 特に、次こそは予選突破だ!

 と意気込む弓道部であれば、参考になるかと。

 毎度のごとく予選を突破していく強豪校(仮定とします)は? と聞かれそうですが。

 顧問の先生が弓道に関して深い知識を有している場合が多く、おそらくすでにご存知かと思われます。

 うーん、たぶんそう。

 

 問→チーム力ってなんですか?

 解→自分の的中率を上乗せする力です。


 ほい。

 ここから先は、あくまで私の私論です。

 もういちど言います、私論ですからね?


 まず、弓道とはチーム戦が目玉のスポーツ(と思ってる)。

 組むチーム編成によって、的中が爆発的に向上したり、絶望的に下がったりします。

 大袈裟ですけど、これはマジ。

 ここで、弓道の競技形式は「たち」と呼ばれるもの。

 簡単に言えば3人で1チーム、5人で1チームを組み、矢を射るわけですが。大学弓道だと6人もありますよ。

 1人4本の矢を持ち、その合計的中数を競うものであり………もう長くなるから、おさらい程度で話を進めますね。


 以下、前から順に立ったときに呼ばれる名称です。

 5人チームの場合。


1番、大前おおまえ

2番、二的にてき

3番、なか(または三的さんてき

4番、落前おちまえ

5番、大落おち


 3人チームの場合。


1番、大前おおまえ

2番、なか

3番、大落おち


 んで、1番から順に矢を射ち、それを4回繰り返します。

 条件によっては、1本のみ矢を射る場合もありますが……まぁあると思ってください、はい。


 ここで、チーム力を向上させるのに必要なのは的中数なのですが、それ以外にもありまっせ、ってことで。

 それはずばり。

〝行射のリズム、的中の流れって考えた事ありますか?〟

 これがもうめっちゃ大事、視えないからこそ余計に大事。


 では特にチーム力が求められる、5人立ちに絞って記します。

 この場合、違う性格の5人でチームを組むとして、立つ位置でチーム力が変わりますよ。ホントよ?


 ここで。

 良いチームが持つ共通認識を例にして記します。

 ですが、これは具体的な数値で表現することが出来ないので、哲学といった観点からチーム力について考察していきます。


 まず、それぞれの立ち位置で特に求められる部分を絞り、記します。

 ここで、エースという称号は無視します。

 そして、的中は「〇」、外すと「×」とします。


 大前。可能であれば相手よりも先に矢を射って、1本目を絶対「◯」にすること。

 二的。前が「✕」なら絶対「◯」にする。

 中─。前が「✕」なら絶対「◯」にする。

 落前。前が「✕」なら絶対「◯」にする。

 大落。前が「◯」か「✕」で続いてきたら、絶対「◯」にする。


「え?」と思ったはずです。

 はい、それはもう。


 あ、大前はエースの人が立つ位置だとか、次に的中数がある人が大落なんだかとか、まぁ色々とあるのは知ってます。 

 そこは検索すると、「立ち位置の役目は◯◯だ!」と書いてある記事はたくさんありますから。

 長くなるので私は省略しますよ。


 それにね、エースが一人や二人頑張ったところで、5人立ちではなかなか勝てませんから。

 (3人立ちの場合は別だけどね) 

 とりあえず話を進めますね。


 それはなぜか。

 5人立ちってのは、絶対的に皆中する存在が何人居るのかって事よりも、全員がコレをやっちゃ駄目だという意識をチームとして持っているかどうか、ここがポイントなんですね。


──誰かが中ててくれるんだ、ではなく。

  アナタが中てないと5人チームでは勝てません。

  予選でもトーナメント戦でも一緒。


 なぜならチームメンバー全員が、ここぞと言うときに的を必死に射抜ける気持ちがなければ、いかに対戦相手より的中数を叩き出すか、といったトーナメント戦において、〝対戦相手に気持ちの余裕〟を与えてしまうんですよ。


 ほえ、なんで〜、理由はなに〜?

 私の経験した事を元にした哲学だから。

 ま、感想みたいなもん。


 ここで、自分は5人立ちでトーナメント戦をしているイメージをしてください。

 アナタは選手だとします、自分が弓を引いてる最中に、ズバン。対戦相手に的を射抜かれました。

 このとき、「この一本は絶対外せない」と思えるか、「プレッシャー」だと思うか。

 これは性格によりますよね?

 ちなみに、いい大前ってのは、前者です。


 大前は、対戦相手より先に矢を射ることで、最短でプレッシャーを与えれる唯一の立ち位置。要は大前としての仕事、なんですね。

 そして大前が「◯」であれば、横に繋がる可能性が出てきますから、後ろの人達は状況的にも外せないと思うわけですよ。


 大落もそう、チームの自信が飛躍的に向上するトドメの「◯」を示せるのは、そのポジションだけですから。


 大前がエースであれ、と言われるのはそれが理由。5人立なら「20」、3人立ちなら「12」を出すためだと考えるなら、大前が外してちゃ駄目なんですね。

 綺麗事ではなく、コレもマジ!

 チームメンバーはつまるところ〝中てなきゃ〟ではなく〝外せない〟ここが意識のポイント。


 例えば、アナタは5番、大落だとします。

 前の4人が弓を引き、「✕」が続いてしまった時と、「✕」が続かない時、どっちが「勝てる」と思いますか?

 これは、応援してる人には、よく分かると思いますよ。


 当然、一定数のアベレージ、つまり的中数を出す事も必要なのですが、対戦相手にプレッシャーを与えて、的中数を下げる。

 つまり対戦相手の〝メンタルブレイク〟にもなるんですよ!!

 相手にも的を射抜く「音」は聞こえますからね。

 戦っている対戦相手が強い!

 と思わせる要素、特に1本目を「◯」で通せば、半端ないプレッシャーを与えれるわけですよ。


 もし、試合での1本目は超大事、と言われた事がある人なんかは、それが理由でっせ。

 

 日頃、何を意識して立ち稽古をするのか。その差が顕著に表れるのが試合なんですね〜。

 あとね。

 立ち稽古では的中の結果とは別に、行射が一巡する時間を計測してみてください。

 弓を打ち起こすタイミングが変化する人なんかは、「感情」に操られ、我を見失ったりと、ヤケクソになる場合があります。

 チームのリズムを乱す原因なので、それはマジで辞めましょう。

 自分が会に入っているのに、後ろの人が会に入っていたら、気が散る要素の一つですから。

 〝試合だと、最悪の場合失格ですよ?〟

 そんな未熟な精神力は、さっさと卒業しましょうね。

 まぁ、稽古中にたまにやってる人はいますけど。

 

 ほい。


 トーナメント戦ってのは、予選の段階から戦う相手の技量を観察してますから。応援席から見ていると、そんなチームと対戦しても負けないよ。と、思わせてしまいますよ?

 ずばり、これが気持ちの余裕を与えてしまうのです!!


【まとめます】

 チーム戦を主にする弓道において、必ず外してはならない部分は何処かを考えているチームほど、相対的に的中数が伸びやすい。

 また、トーナメント戦では対戦相手よりも的中数を出す必要があるため、いかにプレッシャーを与えれるか、なども一つのポイントである。


 まぁね、中には皆一斉に引いて、ズバン✕5。と、矢を射るチームも見た事ありますけど、そこまでいくとあんまりプレッシャーにはならないかな。

 私はね。


 こんな事を書くのも大変失礼ですけど、強豪校だって、世代によってはさほど強くない場合もありますよ。高校弓道はね。

 大学弓道は主に関東が強いですけどね。

 だって……まぁそれはいいや。


 ちなみに3人立ちだと、それなりの選手が3人いるよりも、絶対的な凄腕が2人いたほうが強いですかね。

 私はそう思ってます。


 だけども、5人立ちになるとエースが何人もいるチー厶は珍しいですから、戦い方を工夫すれば強豪校とも戦っていけるかなって。

 もし、予選突破を目標に奮闘する高校がありましたら、参考になるかなって思いますね。


 え、そもそも技術的にも戦っていける気がしない?

 じゃあ他のエッセイも読んでみてください。

 結構ね、強豪校が嫌がる事を書いている(つもり)ですからね。

 もちろん、ライバルが増えるって意味で。

 

 だって、私はもう引退した社会人だもの。

 これを読んだからには、上達するかもって思ってほしいですからね。

 

 つまりダークホースは、これを読んだアナタかもしれません!

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