6周目
第97話 6周目の始まり
ちょっと待って。全く理解が追いつかない。ループって、3年じゃなかったの?今回、まだ半年そこそこだったのに。しかもアレだ。レクスって図書館の隠しキャラだって。僕が隠しキャラってこと?それとも、別にレクス君て生徒が居たのだろうか。
いや、混乱していても仕方ない。今日からまた新しいループが始まる。とりあえず、とっとと入学式を終わらせて、それからだ。
午後、時間が空いた。僕はその足で、スライムダンジョンへ乗り込んだ。もう土日とか乗り合い馬車なんてまどろっこいしことは言っていられない。実家に立ち寄ってザルと
今回、心に決めたことがある。それはもう、僕はあらゆることに直接手を下さないことだ。
カバネル先生の酒造業。兄の更生とローズちゃん。カミーユ先輩。この辺りは、前ループまでで出来るだけ関わらないように決めた。今回追加されたのは、ラクール先生と第三王子。そしてアーカートのピンク頭だ。まさかモブの僕が攻略対象もどきにされて、断ったらゲームオーバーとか想像もしなかった。これはもう、ひたすら暗躍するしかないだろう。
表に出ないまま工作を続けるには、転移しかない。そして転移を使うには、「レベル100、INT300、DEX300」をクリアしなければならない。魔道具自体はすぐにでも作れるんだけど、ゴーレム作成を失敗した時に思い知った。貴族学園の模擬戦で、リュカ様の兄上ルイゾン氏が爆炎の魔道具を制御出来ず、泡を吹いて倒れたのも同じ。レベルや能力値制限は、それなりに意味があるのだ。
目指すは最速レベル100。後は転移や斥候術、闇属性スキルなんかを駆使して、マロールに居ながら秘密裏にゲームに干渉する。もうこれしかない。
10月2日水曜日。高等部2年の授業が始まる。マロールの高等部は平民富裕層向け、クラスも1クラスで在籍数も少なく、授業は基本みんな一緒。体育である武術の時間が、中高全学年共通で分かれるだけだ。しかし剣術、槍術、弓術、体術、全てこれまでのループで取ってしまった。もうやることなんかない。いっそ休学したらどうだろうか。しかし両親に知らせが行けば、面倒臭いだろうな。僕は悶々としながら、授業を受けた。ずっとノートには、これから先の計画なんか立てながら、内職してたけどね。
放課後、待望のミスリル合金と細工道具、いくつかの材料を購入。まだ鑑定は取れていないが、とりあえず自動エーテル化装置ミニを作成。これなら聖句も「大」だけで簡単だし、万一作り損ねてもスキルの暴発などはしない。これを机の中に置いて、逐一魔石を濃縮していく。これで授業中も、時間が無駄にならなくて安心。
10月3日木曜日。図書館でこそこそと本を収納しては排出を繰り返し、鑑定をゲット。これで本格的に魔道具の作成に移る。最初に狙うのは、何と言っても初級ダンジョンのトンボ。そして秋津Maxが出来次第、獣の上級ダンジョンのファイアラット。トンボにはLv2の
あとそれから、獣ダンジョンで雑魚敵を一掃するのに、
と、ここまで作りかけて、気が付いた。そもそもトンボを狩らなくても、風属性の
10月4日金曜日。
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