第16話 原因

足を骨折してるんだ…


それで、上手く歩けなくて、痛くて餌が食べれないんだ…


待合室で、待つゆかさんとお母さん。

にぼはこのところ、ゆかさんにスポイドで水を貰い、餌は離乳食を少しずつ食べていました。


にぼはこのとき、2歳を超えていました。




お医者さんは、にぼを見るなり、

「この子頭がフラフラで、傾いちゃうねぇ」

と言いました。


そして、

「脳神経障害だと思います」

と。


ゆかは、足がケガしていて、それで体調が悪いんだと思っていました。しかし、実際は、脳神経障害で足を引っ掛けてしまっていて、ごはんもお水も、脳神経障害で食べれなくなってしまっていたのです。


ゆかは、病院に来たら、治るものだと思っていましたから、その病名を聞いたとき、心がざわめきました。


ゆかのお母さんが、

「ファンシーラットって、寿命はどれくらいなんですか?」

と聞くと、3年生きる子もいます、と。


にぼとももは、あと1年は生きられるはずなんです。


その日は、動物病院で、点滴をしてもらい、餌が食べれないから、粉ミルクと専用のシリンジ、そして痙攣を抑える薬などを貰って、帰宅しました。


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