第8話 お外!

実のところ、ももとにぼは、まだまだゆかさんを恐れていた。噛まなくはなったものの、小屋の外から出ようとしないのだ。


ゆかさんは、どうにかして、この子たちと打ち解けて、外に出して一緒に遊びたい、と思っていました。


しかし、そんな願いは、ある日突然、叶うのです。


ゆかさんの家族がみーんな寝静まり、部屋の電気も消えていたときです。いつもみたいに、小屋の扉をあけて、おいで、おいでをしていると、いつもなら、意地でも小屋の外に出ようとしなかったももとにぼが、恐る恐るでてきたのです!!


ゆかさんは、びっくりしました!

(嬉しい!でも、驚かしちゃいけないから、電気をつけたり、家族を起こすのは、やめておこう)



小屋の外にでると、2匹は大丈夫かな?と、確かめながら、気をつけながら、うろちょろしました。そして、ゆかさんの膝に乗ったり、肩に乗ったりしたのです!


(幸せすぎて、これは夢かもしれない…)


ゆかさんは信じられませんでした。だって、あんなに怯えていた可愛いネズミが、膝の上や、肩の上に乗ってくるなんて!一体誰が信じますか?


こうして、部屋んぽ初日は、夢のなかにでもいるような気分で終わったのです。

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