箸置きの鶴 ショートショート集

@raibo0611

第1話 幸運のさいころ


 サイコロと一緒にメモを道端で見つけた少年。

メモには「1以外が出れば幸運が訪れる」と書かれていた。


 少年がサイコロを振ると、カラカラと音を立てながら転がり、3が出て、その日、祖父から思いがけないプレゼントをもらった。


 翌日、少年は再びサイコロを振り、今度は1が出る。

怖くなったが、学校で好きな子からラブレターを受け取る。

少年は1が出ても幸運だと確信した。


しかし、また3が出た日、祖父が交通事故で亡くなる悲劇が起きる。


 少年はサイコロが幸運をもたらさないことを悟り、怒りに任せて地面に叩きつける。すると、サイコロが割れて、中からさらに別の小さなサイコロが出てくる。カラカラと音を立てていたのはそのサイコロだった。


 出てきたサイコロの目は1。

 少年は背筋を凍らせた。

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