修学旅行でカツアゲされた私~はしゃぐことは罪なのか?~
44年の童貞地獄
第1話 三年前から期待していた中学の修学旅行
中学校生活で最高のイベントといえば、修学旅行を挙げる人は少なくないだろう。
私はその中学校の修学旅行を、気が早すぎることにまだ中学入学前の小学校六年生の頃から楽しみにしていた。
小学校での修学旅行先は京都・奈良であり、一泊二日とあっという間であったが、11歳だった私には旅行先での瞬間瞬間が非常に充実しており、それまでの人生で最良の二日間だった。
宿泊先の部屋でクラスメイトたちと過ごした一夜は、家族旅行では味わうことができない鮮烈な体験であったことを今でも覚えている。
旅行から帰った後の私は修学旅行ロスとも言うべき症状に襲われ、配られた思い出の写真を見ながらもう二度と来ることのないその瞬間を脳内でリプレイしようと努めてはタメ息をついていたくらいだ。
同時に、私は中学校の修学旅行に思いをはせるようになった。
同級生のうち、中学生以上の兄や姉がいる者から聞いたところ、中学の修学旅行は二泊三日だという。
たった一泊二日の小学校の修学旅行でもあれだけ楽しかったのだ。
単純計算で倍以上の楽しさになるだろうと確信していた。
しかし、その時は全く予想していなかった。
その中学の修学旅行が、これまでの人生で最もひどい目に遭った体験の一つとなり、「好事魔多し」という鉄の教訓を私に生涯刻み込むことになるであろうことを。
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