オヤジ ロボット(短編)
藻ノかたり
オヤジロボット
近未来、中高年に対する若者の不満が爆発し、大きな社会問題となった。そこでAIを搭載した「フラストレーションフリー・ロボット」通称「FFR」が開発される。また同時に、国会で「FFR法案」が可決される。
このロボットたちは、例外なく中高年男性そっくりの容姿であった。また”オヤジの嫌な所”を凝縮したような機械であり、パワハラ、セクハラ等、典型的な言動や行動をわざと取るようプログラムされている。
若者はロボットに対して、逆ハラスメントの限りを尽くして憂さを晴らしても良いが、その代わり本物の中高年とは仲良くしなければならない。そうする事によって、世の中を上手く回すという算段である。
若者は歓喜し、おおいにロボットを叩きまくった。そしてついには「オヤジ狩り専用ロボ・許して君」も登場。”やめてくれ”と哀れに懇願するロボットに対し、凶器を使って好きなだけ破壊しても良い事になった
次々に壊されるロボット。それらは直ちに回収され、修理工場へ送られた後、再び街に放たれた。数年後、若者と中高年の間に争いは殆ど起きなくなった。もちろん、いわゆる”オヤジロボ”は、ドンドン生産され、もはや社会になくてはならない存在となる。
しかし、若者たちは知らなかった。
ロボットの開発製造費、修理費などは、全て若者が老人になった時、彼らの年金から天引きされる事を。
オヤジ ロボット(短編) 藻ノかたり @monokatari
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます