第18話 負け続けることはありません、勝ち続けることもないわけで。

 自分の状態が思わしくない人。

 流れを変えたいって真剣に思うでしょうね。

 人生において負け続けている人は、時々、運命を呪いたくなることもあるでしょう。


 でも本当にそうでしょうか?

 人生において、負け続けることなんて本当に有り得るのでしょうか?


 仮に一時、負け続けているような錯覚を抱くこともあるでしょうが、人生において負け続けることなんて有り得ません。

 勝ち続けることができないのと同じ理論です。


 ギャンブルをやる人、確率論を学んだ人ならわかるとおもいますが、トランプの赤色だけを出し続けること、それは不可能なことです。


 どんなに念じたところで、どんなに思いを込めたところで、理論上は2分の1の確率で黒がでてきます。短期間に見て、赤が黒に比べて少しだけ多く出たりすることはあるでしょう。


 ですが、すべてのトランプの色、赤を出し続けることなんて、超能力者でないかぎり、できないわけです。


 もし今の状態があまり良くなくて、悪い状態が長く続いているようなら、そこから脱したあとは、目も覚めるような青空が続くかもしれません。


 人生は捨てる神あれば拾う神ありです。

 あなたがもし不幸だけを一身に背負い、もう生きていけない、そう思うなら、少しだけ外に目を向けることをおすすめします。


 身近なところにも不幸はたくさん転がっているはずですし、あなたが自分にしか興味を持てないから、視野が少し狭くなっているのだと思います。


 老人ホーム。

 精神病院。

 病院。

 病気。

 破産。


 自殺未遂。

 倒産。

 一家離散。

 離婚。


 震災。

 死別。

 火事。


 心が弱くなってくると、つい悪魔のささやきに負けてしまいそうになりますが、あなたと同じくらい苦しんでいる人は至る所たくさんいるはずです。


 あなたが知らないだけで、自分にしか興味を持てないだけで、絶望の淵にいる人はたくさんいます。


 もし死ぬほど苦しいなら、例えは悪いですが病院で生活する人たちを思い浮かべることです。


 眼球を摘出した人。

 両足を事故で切断した人。

 全身、大火傷を負った人。


 不治の病の人。

 脳腫瘍を患った人。


 それでも、多くの患者さんは運命を受け入れ、一生懸命、今日も健気に病気と戦っていること、忘れないことです。


 老人ホームにだって、家に帰りたくて、でも家の事情で戻ることができなくて。帰りたくても、どうしようもなくて。

 訳あって自宅に帰れない人たちが大勢います。


 声にしないだけで、絶望の目をした人たちは大勢います。

 人生において、負け続けることは勝ち続けることと同じくらい難しいです。


 人より少しだけ不幸の数が多い人は、たしかにいるかもしれません。

 また幸せの度合いを人と比べることも、それが間違っていることだと、いつか気付くはずです。


 幸せは、人と比べて得られるものではないからです。

 自分の心で想うものです。

 心で感じるものです。


 幸せだと思えば幸せですし、不幸のどん底だと思えば、それなりに不幸のどん底のような顔つきになってしまいます。


 どうか今の現状を悲観しないでください。

 どうぞ前を向いてください。

 人生を諦めるには、まだ早いです。

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