歩き続けて疲れ切ったあなたに贈る、ピアニシモのメロディー

第13話 つまらない大人、つまらない人生なんて、この世にない。

　自分は平凡だな、何の楽しみもない。

　そう思う大人も多いかもしれません。

　それは目指す山が低いから、谷も深くないだけで、とてもいいことだと思う。

　多くは感謝の気持ちを失ったとき、離婚や、リストラ。

　会社の倒産。

　事業の失敗。

　もろもろの結果となって表れることが多い。

　感謝の気持ちを失わなければ、人は大抵のことを乗り越えられるような気がします。

　反対にオレがオレが……。

　そう思い始めたときは要注意です。

　様々な困難や試練、病気。

　離婚。

　死別。

　様々な問題が訪れる前触れだと思った方がいいです。

　つまらない人生などないですし、いなくていい人もこの世にはいません。すべてが存在意義の上に成り立ち、どこかであなたが必要とされていることをいずれ知ることでしょう。

　あなたは一人ではない。

　多くの人に支えられ、そして時に人を支え、人から大切に思われている。

　人間とは、動物たち、少なくとも牛や豚の尊い命の犠牲の上に成り立っているわけで、そのもの単体で成り立っているわけではありません。

　今日いただく魚や豚肉。

　これらはつまり彼らの命なのです。

　昨日まで生きていた牛や豚の命をいただき、今日を迎えているわけです。もし自分の力だけで今日まで生きてきた。誰の世話にもなっていないし、これからも、なるつもりはない。そう思うのなら、あなたは大きな間違いを犯している。

　あなたが８０年生きていく中で、一体、何匹の牛や豚の尊い命が奪われたことか。計算してみたほうがいい。

　野菜や魚。

　それら多くの生き物の命の上に、少なくとも、あなたの命が、成り立っているわけで。

　だから命を無駄にしてはいけないわけで、人様に役立てることを学ばなければいけないのです。

　つまらない人生なんて、この世にあろうはずがありません。

　多くの生き物は、限りある命をいただいて、今日も生かしてもらっているにすぎません。

　あなたが生きているだけで誰かが幸せになり、誰かの役に立つことが、やがて自分の血や肉となるわけです。それが人の使命というもので、人の道なのかなと思う。

　人はなぜ生きるのか、それを知るのが大事なのではなく、いかに生きるかが大切なのです。大事なのは、WHYではなく、HOWです。