第11話 人生はプラス・マイナス、うまく帳尻が合うようにできている。

 人生とは不思議なものだ。

 不幸ばかり続くこともないし、幸せばかりの人生もない。


 悲しんだ数だけ、涙をこぼした数だけ、人は幸福になれるような気がしてならない。


 多少の多い少ないの違いはあっても、人が死ぬまでに受ける受難の数と幸福の数は、ほぼ同数なのではないかと思う。


 そこに熱く生きるか、冷めて生きるかの違いは、たしかにあるように思う。濃い人生の人は登る山も高いでしょうし、中身の薄い人生の人は、山が低い分、落ち込みもさほど経験しなくていいように思う。


 人生はプラス・マイナス。

 よくできているように思う。


 もし、それほど苦しみたくないのなら、無難な平坦な人生を歩むべきでしょう。山の険しくない、比較的、谷の浅い山を選んで登るべきです。楽しみもそれほどないかわりに、苦しむことのない一生を終えることができます。


 宝くじに当選するような、ジェットコースターを上り下りするような人生もあるのかもしれませんが、多くはなるようにしかなりません。考えた通りの人生、思った通りの人生しか人は歩むことができません。


 谷の浅い人生を望むか、例え谷が深くても、頂上、てっぺんがエベレストのように高く険しい頂を望むか。多くは考えが分かれるところです。

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