第4話 頑張った出木杉くん。
ぼくは頑張った。
いつの間にか、1年が過ぎていた。
ぼくの目の前にゴレえもんがやって来た。いや、ゴレくんだっけ。
『よく頑張ったね!出木杉くん。
ほんと、出木杉と名付けて良かったよ。
みんな、君の事を褒めているよ。』
ぼくに色々な事を教えてくれたプロの
教育ロボット達が拍手してくれている。
ぼくは涙が止まらなかった。
みんなロボットとは思えない、人間そっくりの外見だ。
ゴレくんもそうだし、ロボットだと
思えない。
普通の人間にか見えない。
でも過去に帰るにしても1つだけ心配な事がある。
ぼくの顔も身体も変わり過ぎている。
身長も伸びてる。
今のぼくはクラスでも高い方だろう。
短期間でこんなに筋肉質になってるしな。
ボクシングや空手も経験しとけと
言われてヘッドギアを付けて、
何度もスパーリングしたし、
空手の組み手もした。
柔道も学んだ。
同年齢の相手と戦った。
勉強のプログラムが早く進んだので
運動関係や格闘技関係の授業が増えた。
みんなは学んでおいて損は無いと言ってくれた。
なんだか小学校の6年間よりも大きな物を学べたような気がする。
精神年齢も何歳も成長したような気がする。
(この出木杉くんの言葉は錯覚ではありません。彼が大好きな教育ロボット達が
雑談の形で色々な知識を彼に伝えてくれたからです。
更に大きな物を彼に与えてくれてます。
それは教養。
大人ならはっきりわかるくらい
彼は成長して精神年齢も高くなっています。
今の彼なら教師からも信頼され、
内申点も高くなるでしょう。
良い高校、良い大学も目指せるでしょう。今の彼は予習も復習もきちんとするし、テストでも良い点数を取れるでしょう。
毎日努力し続ける立派な姿を教育ロボット達は見続けて、彼を信頼しています。
いや、もっと一緒に頑張りたいと思っています。
みんな、彼と別れたく無いと思って、
我慢して拍手しています。
本当は彼と別れたくないので泣きたいの
です。)
出木杉くんには大勢の師匠ができました。
彼らは出木杉くんに未来と繋がる双方向通信機を渡します。彼らは出木杉くんの家庭教師をして彼の事を見守り続けます。
特に子ども時代は早生まれが有利で
遅生まれが不利と言われています。
1年近い差がありますからね。6年生に近い5年生と4年生に近い5年生の差というべきか。
出木杉くんは頑張り続けて、やっとクラスのみんなを追い抜けました。
これからも、これほど長い期間では
ありませんが出木杉くんを未来に呼ぼうと彼らは動いてくれるようです。
短期集中プログラムならハードルは低いですからね。
出木杉くんが選んだのは出木杉の苗字でした。
名前は英才。
あの出木杉くんと同姓同名です。
ゴレくんが御先祖様を見守りながら
色々と動いたおかげでマイナス無く
今に至ってます。
1ヶ月の短期集中トレーニングで生まれ変わった事になって出木杉くんは帰ります。
これから、彼の人生は大きく変わります。
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