　チームとなる、他のキャラクターたちもすぐに根占の中で生まれてきました。

　一番に生まれてきたのは、惰性で生きるヒモ野郎。ヒモ野郎の彼は、実は根占の中で古くから胎動していたキャラクターの一人です。たぶん、チームの中では一番性格が悪く、面倒臭い人間なのではないでしょうか。

　次に生まれてきたのは、カプ厨少女。老若男女問わず、種族万象問わず。何でもカップリングしたがる女の子です。くわえて、極度の夢女子な子です。何にでも胸を躍らせ、キラキラと鮮やかにときめく彼女は、根占には眩しい存在でした。

　最後には、生真面目かつまともな倫理感も持ち合わせていますが、頭のネジが数本外れている非凡な店長男。そして、放浪癖が酷い、冬の柳のような美しい姿に、夏の夕立のような烈しい心を持ち合わせた美麗の老爺が生まれてきました。

　さまざまな個性を持ち合わせて産まれた彼らは、〝祓い屋〟というチームに成りました。探偵のような仕事もしますが、人間とは相容れない「妖怪」や「怪異」といった、人ならざる者たちとの交流や衝突を繰り返す。そんな出来事を通して、彼らは〝祓い屋〟というチームとして、ほんのささやかで輝かしく鮮烈な「青春」にも似た体験をするのではないかと。

　こうして、根占の中で物語の道筋が明確に照らされたのです。

　「殺す」産声バディを中心とした、個性豊かなキャラクターたち全ての「青春」と「生き様」を描いた物語——祓い屋たちの「青い時間」の物語を。