サキュバスを拷問せよ!
おかしいな。
僕を襲ってきたはずのサキュバスがなぜか怯えきっているぞ。
「ひぐぅ、許して~。どうか見逃して~」
優位は明らかに向こう側にあったのに、なんと命乞いまでしてくる始末。
ワケがわからないよ。
「も、もう悪いことはしませんから! 約束します! 誓いますから~!」
「む」
サキュバスの発言で僕の胸に警戒心が生じる。
もう悪さはしない?
バカな。精気と魔力を主食とするサキュバスがこの先、人間に手を出さないはずがない。
それに師匠だって言っていたじゃないか。
『いいことローエンス? 言葉を話すモンスターの言葉を信用してはいけないわ。奴らにとって言葉は人を欺く道具でしかない。情に流されて見逃すような真似をしたら……あとあと痛い目を見るわよ?』
やるべことがハッキリした。
このサキュバスを……野放しにするわけにはいかない!
「
「がはっ!」
念力魔法でサキュバスを空中に浮かべ、身動きを封じる。
「ひぃ、や、やめて。やめてよぉ。ちゃんと謝ったでしょ~?」
「黙れ。僕はお前の言葉に惑わされない。もう二度と悪さができないように、僕がこらしめてやる」
「ひぎっ!?」
とは言ったものの、僕のいまの実力でこのサキュバスを完全に消滅させることは不可能だろうとわかる。
こうして念力で拘束できているが、それはサキュバスの戦意が喪失しているおかげだ。
普段の彼女ならば、きっとあっさり解除してしまうに違いない。
いまはなぜだか僕に怯えきっているので、易々と干渉できてしまうが……。
だが問題ない。
目的は倒すことではない。
僕がやろうとしているのは……。
このサキュバスの心を、屈服させることだ。
師匠は言っていた。
魔法使いとなる以上、いずれはモンスターだけでなく、人間相手と戦うこともあるだろうと。
そのときに大事なのは実力で叩き伏せることではなく、相手の心に敗北感を植え付けることだと。
『「自分はお前よりも格上だ」……。そうした徹底した実力差を見せることが対人では重要よ。そして……時には心を鬼にして相手を屈服させる状況に追い込まれることもあるわ。だから──いまからその秘術を、あなたに教え込むわ』
師匠の言うとおりだった。
いまこそ、あの秘術を使う場面なのだ。
相手は人間ではなくモンスターだが……人型であり知能を持つ以上、師匠の教えは効果を発揮するはずだ。
いざ!
「
「ひやぁ!?」
水の鞭を何本も生成し、サキュバスの体に巻き付かせる。
むっちりとした柔肉がなんとも卑猥にたわむ。
「な、何をする気なの? い、いやぁ……ひどいことしないで~」
「そう言ってきた人間を、お前はいったい何人殺してきたんだ?」
「ま、待って。ワケを聞いて? 私は実は本当はこれが初めての狩りで……」
「嘘は嫌いだね……お仕置きの時間だ!」
「はひぃん!?」
水の鞭をしならせて、一気に叩きつける。
……お尻に!
「ひぎぃ!? な、何でお尻を叩くの!?」
「……屈辱だろ? サキュバスが人間にお尻ペンペンをされるなど」
「い、いや、確かにそうだけど……え? 待って、これ、拷問のつもりなの?」
「何をブツブツ言っている。本番はこれからだ! それ!」
「あひぃん!」
再び水の鞭の先端をサキュバスの臀部に叩きつける。
大玉の果実のように大きい双丘がぴちぴちと波打つ。
「んおぉ!? こ、こんなこと……サキュバスの私が人間の男の子にこんなことされるなんてぇ……」
よし、屈辱的な行為でサキュバスの心がますます弱っているのを感じる。
追い打ちをかけていくぞ!
水の鞭の数を増やし、さらなるビンタを食らわす!
「おほおおおぉ♡ や、やめてぇ♡ へ、変になるぅ~♡ 変な気持ちになっちゃうからぁ♡」
「いいや、やめない。次は別の場所にもするぞ」
「はひぃ!?」
水の鞭を、今度はバカみたいに大きく膨らんだ乳房に巻き付ける。
大きすぎて一本じゃとても足りないので、何本も何本も増やす。
よし、準備完了だ。
「それ!」
「んひぃぃぃぃ♡」
乳房を思い切り引っ張る。
二つの球体は、縦長に形を変える。とても大きい柔肉は、どこまでもどこまでも伸びていく。
「や、やめてぇ♡ おっぱい引っ張らないでぇ♡ おっぱいの形変わっちゃうぅぅ♡」
「そう言ってきた人間のおっぱいを、お前いったい何回引っ張った?」
「いやいや、そんなこと一度もしたことないからぁ~♡」
おっと、尋問に慣れてないせいで変なことを言ってしまった。
う~ん、やっぱり拷問って難しいな~。
でも気を抜くな僕!
師匠とのあの過酷な修行を思い出せ!
僕のために体を張って、拷問の練習台になってくれた師匠の姿を!
『おひぃぃぃん♡ そ、そうよローエンス♡ その調子よ♡ もっとお尻をペンペン叩きなさい! おっぱいを引っ張りなさい! これは拷問の修行なんだから! 手を抜くことは許さないわよぉぉぉ♡』
『師匠! これは本当に拷問というのでしょか!?』
『当たり前でしょおおお♡ 私のこの苦痛な悲鳴を聞いてわからないのぉぉぉ♡』
『師匠! どう見ても喜んでいるようにしか見えません!』
『で、弟子の成長が嬉しいからに決まってるでしょ~♡ あは~ん♡♡♡ そんなことよりもっと過激な動きをしてごらんなさ~い♡ 私のことを奴隷にするつもりで拷問するの~♡♡♡』
『師匠! 僕のためにそこまで……うわああああ! 許してください師匠~!
『んほぉぉぉぉ♡♡♡ や、やっべ、これ、すっげ……おほ♡ 弟子に拷問調教されるのヤバすぎぃ♡ 癖になっちゃううぅぅぅん♡♡♡』
ボロボロになるまで僕の拷問修行に付き合ってくれた師匠に報いるためにも、僕はこのサキュバスを調教してみせる!
「うおおおおお! さあ、この魔法薬を飲め! 師匠が造った『感度が数十倍になる薬』だぁぁぁ!」
「んぐっ!? ごきゅ♡ ひぎぃぃぃ♡ ま、待って♡ ただでさえ変な気持ちになってるのに、ここで感度なんて上がったら……んほおおおおおおおお♡♡♡」
サキュバスの激しい嬌声が響き渡った。
それから、どれだけ経っただろうか?
感度の上がったサキュバスの体を長いこと弄くり回した結果、部屋中がむせるほどに濃いメスの香りでいっぱいになっていた。
「あひ♡ おひ♡ し、死ぬぅ♡♡♡ これ以上は、本当に、死んじゃうぅぅ♡」
サキュバスの目はあさっての方向に向き、舌をだらしなく垂れ流している。
もはや、最初に僕を襲ってきたときの余裕綽々とした雰囲気は微塵もない。
「んぎぃぃぃ♡♡♡ お尻もおっぱいも感じすぎてぶっ壊れりゅうううううう♡♡♡ 頭がどうにかなりゅうううううう♡♡♡」
「さあ、誓え! もう二度と人間に危害を加えないと!」
「誓うぅぅぅ♡♡♡ 誓いますぅぅぅ♡♡♡ というか、もう他のオスとかどうでもいいいいいい♡♡♡ あなたにぃぃぃ♡♡♡ あなたにお仕えしましゅうううう♡♡♡ あなたの奴隷にさせてくだしゃああああぃ!!」
サキュバスがそう言うと、下腹部に浮かぶ紋章が桃色の光を発する。
すると僕の手の甲にも何やら熱が生じ、似たような紋章が浮かび上がる。
……え? 何これ?
「んひいぃぃ♡ 使い魔の契約♡ 成立しましたぁ~♡♡♡ これで私はあなただけのサキュバスですぅ~♡♡♡ どうぞ思う存分、私をお使いくださいご主人様~♡♡♡」
「……え~?」
何ソレ? 聞いてない……。
* * *
「家に帰ったら愛しのローエンスたんがサキュバスと拷問プレイしていた上に使い魔にしちゃったんだけど……こんなとき、どんな顔したらいいの?」
ローエンスの童貞を奪うべく、ノリノリで帰宅したクレアだったが、予想だにしない展開を前に頭を真っ白にしていた。
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