サンタクロース・ラプソディー2
羽弦トリス
第1話サンタクロースJー033
今年もクリスマスのイベントが始まりだした。
ここは、とある国のサンタクロース組合。
サンタクロースコスプレをした若い女が、
「はいはい、皆さん今年の担当国と場所を発表します。電光掲示版に表示されますので、各自準備をお願いします」
去年、日本の名古屋市担当になったサンタクロースJー033は、今年こそは、暖かい島国に行きたいと願った。
2年連続同じ国の同じ街は前例がない。
間もなく、電光掲示版で担当国と街が表示された。
書類の提出をしてから、トナカイの赤鼻に近づいた。
「おっ、旦那!今年は楽勝だろ?担当国はどこ?」
と、赤鼻はタバコを吸いながらJー033に尋ねた。
「……に、日本」
「何ですって!!」
「しかも、去年と同じ名古屋市」
「この疫病神!名古屋市って、230万都市じゃないか!……分かった。協力しよう。今回はオレも手伝うから。去年はスーパー銭湯行ってたら、給料25万円しかもらえなかったしな。ダンナは3500万円だったろ?」
Jー033は、タバコに火をつけて一服して、去年は佐川急便に手伝ってもらったが、今年はカンガルーの西濃にしようと考えていた。
「さすがに、1日で各家庭を回れないから、今回も宅配業者使う。実は、西濃運輸から、1200万円渡されているんだよね。入札で1番安い業者だし、株価もちょっとだけ情報流してるし。だって、1日で2億円売り上げるんだから」
赤鼻は、
「それって、犯罪じゃないの?インサイダー取引じゃん。ま、いいよ。また、日本まで飛行機使おうや。PJあるんだよな、旦那は」
「うん、依頼料や、講演会で30億円以上資産があってね。PJ準備したんだ。サンタクロースは良い給料もらって、美味いもん食って、酒飲むから恰幅が良いんだ」
と、Jー033はタバコを吸う。
「そういえば、瘠せたサンタクロースいねぇからな」
赤鼻は、スキットルに入ったウイスキーを飲んだ。
真っ赤なお鼻のトナカイさんは、いつも酒飲のんで、酔っ払っているから、鼻の頭が赤いのだ。
「赤鼻、3日後に出発だ。それまでに、プレゼントを用意しよう。アルバイト80人雇ったから、お前も指示役で良い。名古屋市の区だけは間違うなよ!去年、ちびっこにチャンジャ、プレゼントしちまったからな。アハハハハ」
Jー033サンタクロースは赤鼻が引くソリで空を飛び、倉庫に向かった。
ソリを引っ張りながら、赤鼻はたまにウイスキーを飲み、Jー033は森伊蔵を飲んでいた。去年、森伊蔵を日本の宅配業者から貰い、気に入って最近の酒は焼酎ばかりだ。
さて、このサンタクロースとトナカイは、クリスマスに向けて活動を開始した。
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