勇者が“選ぶ”のか“選ばれるのか”
抹茶葉
第1話
“勇者は魔王を倒す”
これは正義が悪を倒すと誰もが信じている
疑いようのないことだという
勇者は歴史上何度かでてくる
そして魔王を倒し、役目を終えたと消えていく
それはどこかへ行くのか死なのか
勇者本人以外知らない
この世界での勇者の選定は分かりやすく偽造のできないものである
それは“先代勇者が魔王を倒した剣を引き抜くこと”
簡単そうではあるが、まず探すことから始まる
勇者がどこに行くかは知る人などおらず、世界で探される
探す者は力に自慢があったり自分こそが勇者に相応しいと傲慢にも思い上がっているものが多い
その理由は皆自分の子供が勇者であってほしいという気持ちから子供を鍛えるからだ
だいたいの子はなにか理由がなければ剣を習い鍛える
勇者がどのように剣を扱うかは知らぬが、鍛えていれば剣を引き抜くことができて勇者となれるとそう信じている
だが、本当に勇者であるのであれば探すことの必要などない
なぜなら生まれた所の周辺に必ずあるからだ
輪廻転生、生まれ変わりなどという訳ではないと言われているが、必ずといえるほど次の勇者はその剣の近くに生まれ落ちそしてめぐり逢い剣を抜くことができ勇者になる
ここまでが誰もが知っていること、常識といわれていることである。
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