大好き

@8_8

第1話

「私も好き。」

そう聞こえた気がした。まるで自分じゃないくらいに熱くなっているこの体は、周りの空気さえも温かくしているようで、このまま僕を溺れさせようとしている。

「ねえ。」

そんな声で目が覚めるけれど、君を考えるとやっぱり熱くなる。

鼓動の高鳴りなんて聞こえない。ただひたすらに君を想い出す。

僕を支配しているこの感情はひたすらにあの日の君を僕の頭に映し出す。

「やめてくれ、君はこんなんじゃない。もっと綺麗で美しくてそれで・・・」

夢中にさせる声、夢中にさせる仕草、全部が全部僕を突き動かした。

だけど、君にとって僕は道端の石ころみたいに蹴とばしても気にも留めない存在で、せめて拾われるほどに綺麗な宝石になりたくて。

だから、頑張ったよ。君の好みにあわせて、君に相応しい存在になるため努力したんだ。

なのに。

なんで。

君はそんなに泣いたの?綺麗な笑顔をみせてくれなかったの?どうして僕を拒絶したの?

「ねえ、こんなことやめてよ。」

おかしいよ。僕はこんなに愛してるのに!僕らはやっと一つになれたのに!

君の理想に僕はなれたはずだ。間違えてなんかない!ずっと君を見て、ずっと君を聞いて、ずっと君を感じていたんだから!おかしい、おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいそうか、きっと僕が理想すぎて、まぶしくて泣いたんだね!あんな言葉を投げかけたのもきっと君から僕に想いを伝えたかったからなんだね!間違えたなあせっかく相思相愛なのに僕ばっかりが想いを伝えてたよ君のことをもっと考えるべきだったなあ!

よし、次はもっと想いを確かめて二人で愛し合おう!

君の家は・・だから、まずここからでたら駅に向かって、それからそれから・・・。

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