TS転生したから野球で無双する

第286話 選抜出場校発表

選抜甲子園の出場校の発表があり、無事に湘東学園は3期連続の甲子園出場を果たした。関東大会準優勝で、選ばれないってことはまず無いけどホッとする。関東からは統光学園と湘東学園と習志野と埼玉農大三校と咲進学園の5校。東京からは帝央高校が選ばれた。

東京都大会準優勝の刻志館より、関東ベスト8の咲進学園の方が評価は上だったということだね。後は近畿の代表校で、大阪の履陰社ではなく京都の龍安大平刻が選ばれた。これは昨年の選抜甲子園で、私を敬遠しての決勝進出も僅かに響いてそう。

それとは別に、龍安大平刻が選ばれやすい高校というのも関係してそうだけど。同じ近畿大会ベスト8だし履陰社も文句は言えない。近畿大会ベスト8から選出されたのは龍安大平刻と智伝和歌山で、ベスト4以上は大坂桐正、宝徳学園、京都の福智山星美と兵庫の明石工科の4校で決定。

こう……各地区の強豪がずらっと並んでいるのを見ると、心が躍るね。早く組み合わせ抽選会にならないかなと思うけど、その前に練習試合を組まないといけない。今までずっと木製バットで練習しているから、そろそろかっ飛ばしたい頃だろうし。

屋内練習場は、4月までには完成するだろうけど選抜甲子園までに試し打ちが出来無さそう。今年入って来る1年生達は、施設が最初から使えるのが少し羨ましく感じる。

出場校の一覧を見て、優紀ちゃんが口を開く。

「今年の21世紀枠は、熊本と徳島と茨城からかぁ。あまり弱そうには、見えないね」

「茨城の石岡市立は優勝したところに延長タイブレークで負けての茨城ベスト4だし、残り2校は地区大会で好成績なのに惜しくも選ばれなかったところだしね。昨年がちょっと、酷かったから考えたんだと思うよ」

「ああ……懐かしいわね、昨年の21世紀枠は、私達的には有り難かったのかしら」

今年の21世紀枠は四国大会でベスト4に入っていたり、九州大会でベスト8に入っている高校が選ばれた。実力が無くても甲子園に出られるというのは、ある種の希望でもあるし私は何も思わないようにしているけど、流石に県大会ベスト16やベスト8が出て来て虐殺されるのを見ると何で推薦したのか疑問に思う時はある。

特に去年の場合、宝徳学園と私達湘東学園は1回戦でかなりの点差を付けて圧勝した。真凡ちゃんの言う通り、1試合分を余裕で勝てるというのは大きいし、掲示板ではボーナスステージとまで言われてしまっている。

ただ今年の21世紀枠を見るに、選ぶ側も方針というのは変わって来ているのかな。来年は、本当に惜しくも選ばれなかった高校とかが選ばれそう。

「で、結局尾崎さんにしたんだ」

「詩野ちゃんの希望もあったしね。だから甲子園の選抜メンバーは、こうなった」

優紀ちゃんにも、1年生投手3人から誰を選ぶか迷っているのは知られているので、もう遠慮なくメンバー表を見せる。たぶん、今日の放課後に監督からも発表があるからね。2年生組はレギュラー確定しているし、見せても問題は無い……はず。

1番 西野 優紀

2番 梅村 詩野

3番 江渕 智賀

4番 木南 聖

5番 実松 奏音

6番 水江 麻樹

7番 伊藤 真凡

8番 勝本 光月

9番 高谷 俊江

10番 春谷 久美

11番 島谷 浩美

12番 宮守 瑞輝

13番 尾崎 未有

14番 坂上 清香

15番 牛山 惠美

16番 熊川 茉莉

17番 関口 賢美

18番 中谷 雅子

投手は結局、私含めて6人。捕手の選択は、坂上さんになった。坂上さんは詩野ちゃんに万が一があった時、島谷さんと相性が良いのも大きい。

「こうして見ると、やっぱりピッチャーが多いですね」

「何処も、投手は3、4人ぐらいになるから6人は多いよ」

「でも継投で勝ち上がるところは投手が5、6人いるチームも珍しくありませんし、チーム方針が打撃寄りな以上、投手の頭数は多い方が良さそうです」

優勝しようと思ったら、投手の頭数は多い方が有利だ。延長戦も、投手の枚数1枚で結果が変わったりするしね。久美ちゃんが言ったけど、投手6人は決して珍しいわけじゃない。

……いや、やっぱりちょっと珍しいかな？

選抜メンバーが確定したので、選抜まではこのメンバーが1軍として練習をする。練習試合もこの18人で行なうし、投手もこの6人でやりくりする。まあ6人もいれば、トリプルヘッダーも楽だね。

そして練習試合解禁初日には、東京の強豪校である日大産を呼ぶことにした。去年の秋の都大会で、優勝した帝央高校に準決勝で敗れて選抜に届かなかった高校だ。確か夏合宿の後も練習試合をしたし、その時は6対3で勝っている。

あの時は私と真凡ちゃんが居なかったけど、今回はフルメンバーでの対戦だし、この半年でどれだけみんなが成長したか試せる相手だね。この試合で島谷さんが復帰する予定で、向こうも成長していると思うけど、勝って甲子園に向かいたい。