ラル王国を作ります。

「だから、森の魔物はテイムし尽くしました! 」

「そんなこと駆け出しの冒険者にできるはずがないでしょう!」

「……ということがあって冒険者資格剥奪されました。」

 第3区6丁目の助けてくれた「多分」魔法使いの人の店に遊びに来ている。

「うーん、いっそ自分で悠々自適に暮らしたら? 僕みたいに毎日が楽しいぞ〜」

 と、くるっと回ってみせる。若く見えるので、好きなことで生きていく年には見えない。

「なんか良い方法ありますか? 」

 悠々自適、良いかもしれない。できれば動物に囲まれた賑やかで穏やかな暮らしがしたい。

「あ! ここから北に10キロ先にどこの国でもない空地があってそこに家を建てたら?何もない土地だけど、森にするくらいなら、できるだろう? タタの森の妖精シルヴァヌスに協力をさせればいい。」

 彼の助言を受け、森に入って、シルヴァヌスを片っ端からテイムする。

「49、50!」

 五十体テイム完了したので、とりあえず合成する。すると、茶髪ロングの整った顔立ちの女性になった。見た目は21歳くらいだろうか。

「ユグドラシルと申します。あなたが私の『ご主人様』ですね? よろしくお願いします。」

 と言ってキスをしてくる。すると、たちまち疲れが取れていく。

「あ、ありがとう」

 人だったら良いのに。

 彼が言っていた土地は、一面荒野で、草ひとつない。

「ユグドラシル、できる? 」

 尋ねると、「ええ。」とだけ答えて荒野に森ができていく。

「シロ、クロ遊んでおいで。」

 ペインウルフだった彼らは参考文献がなく、つま先が白いのがシロ、黒いのがクロと名付けることにした。

「じゃあ、俺も! こうやって、こうやって、こう! 」

 直径25m、高20mくらいはある大樹を作り、蔦で梯子を作り、枝で、部屋を作っていく。「ユグドラシル……? 」

 そこには、彼女が作った泉で、沐浴をする彼女がいた。なんか、こう、あれだな。性的というよりも、神聖だな。これがモデルの像を作りたい。

「あっ……ご主人様……」

そんな顔をしないでくれ。耐えられなくなる。

「ツリーハウスを作ったんだ。監修をお願いしていいか? 」

「ええ、もちろん! 」

「ラル様、出して……」下の方から、声がする。そういえば、フェアリー達を出すのを忘れていた。急いで、魔法陣からフェアリー3体を出す。

「忘れてたな? 」

と、睨んだ後、シロとクロの方に行ってしまった。

「これも自然な感じでいいと思いますけど、私がやると……」と言って、

木を切り出して木材にして土台を作り、厚い木材で壁や天井を作り、漆喰で固めていく。愕然としていると、いつの間にか、小さな城が出来ていた。

「それは、良かったの? 」

ユグドラシルがキョトンとしている。

「いや、え、木を切るなとか何か言いそうだったから……」

何はともあれ、家は完成したので、ゆっくりしよう。

家に帰る前に、50mくらいの大きさで、ユグドラシルの沐浴シーンの石像を作った。神聖オーラがあふれている。「ここを聖地とする!」


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