農林戦隊ダイホクレン
菜月 夕
第1話農林戦隊ダイホクレン爆誕
もしーも エゾーが なーかぁーったら たちーまちヤマトは食糧難
街は焼け 倉庫は 打ちこわし 君は一揆の ムシロ持つ
エゾは僕らの 食料基地だ TPPからも 守りぬくんだ
ジャガイモ トウキビ タマネギ お米の力だユキヒカリ
俺たちの食糧だ 食い尽くせ
クローズ サン (はい終業) ライジング サン(はい仕事)
農林戦隊 ダイホクレン
プロローグ
201X,年、ヤマト国の農業市場は世界に開放されることとなった。
それまでもガット・ウルグアイラウンドやTPP・環太平洋圏貿易交渉などで世界に脅かされてきたヤマト国は農業を守るために国は輸出で獲得した外貨を目に見えない形で農業を支援せざるを得なかった。
日本の基本の食を外敵に委ねてしまえば、イザと言う時に外敵の要求を呑むしかなくなるからである。
食は3日も滞ればにヤマト国の民は崩壊するからである。
もちろん、これまでに農林業予算で旨い汁を啜ってきた官僚や農業基盤の政治家達を守る為ではない。もちろん。
その資金が外国の目に触れることは国内保護の誹りを受けるのであくまでも形を変え、中継機関を通して政府外部団体である第三セクターで行われる。決して官僚の貰い口を増やすためではない。もちろん。
そしてここ、エゾ州のオホーツク北部農業態では農家の人手不足解消と人員育成の名目である若手5人が試験的に選ばれ、その組織が立ち上がった。
その名を大アザ北部オホーツク農業者連合キタミ支店。略して”ダイホクレンと。
ダイホクレン爆誕
その時、私、ダイホクレンのリーダーにしてコンピューターの申し子である紺野標太は草刈機の手を止め、目にかけているモノクルからのレッドアラームを手首の仮想ディスプレイを作動させてそちらで詳細を調べた。「いよいよか。農林戦隊出動だ」
一方、牛の群れの中で牛たちをモフリ倒していた動物のエキスパート狩山孟は一頭の牛の気配からこの事態を察知していた。
また、工場を思わせる製作機械や飛び散る溶接の火花の中、ゴンッと音を立てて作動を始めたトラクターに気づき乗り込む男、増谷修。
また、あやしげな薬品や鉱石などが散らばり、埃っぽい倉庫の中、とあるガラス容器の反応を見た楠木合もまた薬品の瓶を腰のベルトに用意した。
そして巨大な温室ハウスの中、姫蝶子は頭に生えた寄生植物にして彼女の第二の頭脳である花がパッと開いたのを見た。
「「「「「農林戦隊ダイホクレン、出撃!!!」」」」」
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とある外部政治団体第三セクター分室、ダイホクレンのサポートルームと目される、そこではある会話が交わされていた。
「まさか、こんな企画が通るとは思わなかったんだよ。彼らは農家のドロップアウト。紺野は”これからの農家はコンピューターとITだ“と農家そっちのけで金をかけて破綻。狩山は牛や他の動物もどんどん飼って餌代で、増谷は器械に金を、楠木も素材や調合機械で、姫もバイオやハウスの維持費で」
「彼らは一面だけを取れば最優秀の人材でそこを活かせば農業の発展が目指せる、なんてお題目で農業支援予算で分室を運営したら我々の職も安泰というから!」
「始まってしまったのはしょうがない。今更使った予算は戻らないし、我々は今後もその恩恵を受け取らねばならない。報告書には綺麗ごとだけ書けばよいのだ」
その頃、また別のところではある男が立ち上がっていた。
自称、農業予算監察官。J・A-安達丈太郎である。
彼は日系三世であり、コメ国のヤマト民族の移住地で生まれ、ヤマトに憧れが過ぎて周りに煙たがられ追い出されたのだが、コメ国から出張という名実の無い権威で農共にありがたがれ今の地位を得た。
彼はこの予算が国の直轄事業とは言え、農共を通らない事にも不満を持っていた。
農共を通らないことは農共の求心力が弱まることである。
その恨みは別になんの関係も無いダイホクレンそのものに向かっていったのであった。
彼はその地位を利用して3分くらいは全ての部署に影響を及ぼせるのであった。
「はっはっはっ、まってろよダイホクレンの有象無象よ!」
そして歌い出した。
ひたーいに 輝くマークは稲穂 自慢のマシンで稲を刈る
お米の国からぼーくらの為に 来―たぞ我らのJAマン!
そう彼は日系二世のコメ国帰りが売りの農共職員でもあった。
手にーした いなータバ ひーかりと光―――
100万石のかーがやーきだ---
お米の国からぼーくらの為に 来―たぞ我らのJAマン!
彼が前奏、間奏込みで歌っている間に彼のスーパータイムは切れたので彼の暗躍はまた次週のこととなったのであった。
TO BE こんてぃにゅー
*この話には参考にした機関、事象、人物が存在しますが、それらを斜め上に妄想を膨らませて出来ているため、彼らには一切の関係がありませんので心当たりがあっても後ろ指をささないでください。
農林戦隊ダイホクレン 菜月 夕 @kaicho_oba
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