第18話「最悪の二人」

第十八話「最悪の二人」


*注意:今回の話は主人公が『佐藤健斗』から、『朝日南春奈』と『天馬宗一郎』に変わります。そこを配慮したうえでこの作品をお楽しみください。

作者の都合で紛らわしくしてしまい本当に申し訳ございません。



ここは、とある病院。

俺は、先週の魔災レベルとの戦いでとんでもない重傷を負ったがなんとか回復しつつあった。


「大丈夫か?健斗」伊神さんが優しく尋ねる。

健斗は微笑みを浮かべながら答えた。


「はい、なんとか大丈夫です。」


「あのヤーモンという魔災レベルを倒したそうだな。」

伊神さんが驚きを隠せない様子で言う。

健斗は照れくさそうに頷いた。


「まあ...そうらしいですね...覚えはないんですけど...」

「お前は本当に凄いよ。」

天馬が賞賛する。

しかし健斗は首を横に振り、謙遜した。


「いえ...本当に凄いのは大崎さんの方です。

死ぬ寸前の私を見捨てずに命がけで守ってくれたのですから。」

伊神さんが頷く。


「なるほど...大崎らしいな。」

天馬が不安げに尋ねた。


「そういえば、お前の喰犬『スペーリ』は無事なのか?」春奈も便乗して言った。


「そうよ。

あなたを守るために死にかけたんですよね。」

健斗は安心した表情で答えた。


「大丈夫だ。」

すると、ドアの奥からテクテクと小さな足音が近づいてきた。

それは、なんとスペーリだった。


「ワン!」スペーリは嬉しそうに吠え、健斗の膝の上に乗った。


「この通り、スペーリも元気だ。」

健斗が言った。

スペーリのおなか部分に包帯が巻かれているが、それ以外は傷がほとんど癒えていた。


「全く、お前と同じタフさだけは霊媒会上位かもな。」

天馬が感心した様子で言う。

春奈も付け加えた。


「ほんとよ。

聞いた話、あなたはスペーリの安否が心配で、四六時中寝ずに病院の先生方に毎回のように『スペーリは大丈夫でしょうか?』と聞きまくっていたそうね。」

健斗は驚きながらも照れくさそうに言った。


「な...なんでそれを...」

「長い付き合いですもの。

そりゃ分かるわよ。」

春奈が優しく言う。

天馬も微笑みながら付け加えた。


「お前らしいじゃないか健斗。

それぐらいお前はあの犬を大切に思っていたんだろ。」

伊神さんも笑顔で頷いた。


「ああ...そうだな。」

健斗は三人に向かって、心からの感謝の言葉を述べた。


「みんな、俺のためにお見舞いに来てくれて本当にありがとう。」

その後、天馬と春奈は大東寺さんに呼び出され彼が待つ屋敷で会うことになった。


「二人とも、お見舞いご苦労さん。」

大東寺さんが微笑みながら言った。

春奈は少し不機嫌そうに答える。


「まあ、私はお見舞いなんてする予定なかったんですけど、天馬が行くって言うことになったので仕方なく...」すると、 天馬がスマホをいじりながら反論した。


「そうだったけかな?確か、いち早く誘ったのは春奈の方だろ。

LINEで来てた。

その証拠に今ここで見せようかな?」スマホを掲げるそぶりを見せると、春奈は慌てて止めた。


「ちょっと!やめなさい!!」 二人は小競り合いを始めたが、大東寺さんが笑顔で制した。


「まあまあ、君達、落ち着きなさい。」

そして、 落ち着いた二人に大東寺さんは本題に入った。


「今回、君たちを呼んだのは他でもない。

要件は...」 春奈が口を挟んだ。


「要件は、私が天馬と手を組んで一緒に怨霊の除霊をするんですよね。」

大東寺さんは驚きながら尋ねた。


「え...どうしてわかったんだい?」

「それは、私の霊媒師としての勘です。」

春奈が答える。

大東寺さんは頭をかいた。


「そうか...君たちには隠し事はできないな...」一息ついてから続けた。


「では改めて言おう。

儂は君たち二人に怨霊の除霊をしてもらう。

魔災レベルのだ。」

春奈が確認する。


「今回は、その怨霊の危険度を断定したうえで言うんですね。」


「まあね、秘密にしたところで君達にはお見通しだと思うからな。

ただやるかやらないかは君たちの自由だ。

そこは、儂が命令するわけにはいかないからな。」

春奈と天馬は顔を見合わせ、決めたように答えた。

「「その依頼...引き受けます。」」


「そうか。

それはありがたい。」

大東寺さんが言うと、奥の襖が開き、綾野さんと伊神さんが入ってきた。


「君達には、今からこの二人と共にZ町での怨霊退治を依頼する。

頼んだよ。」


「「はい!!」」そして、天馬と春奈は天師の伊神さんと綾野さんと共にZ町へと向かった。


「それで、Z町で一体何が起こったんですか?」車でZ町へ向かう途中、春奈は伊神さんに尋ねた。

伊神さんは答える。


「それがな、なんでもZ町で多数の霊媒会に所属している者の行方不明事件が相次いで起こっているらしい。」

それも、最近になって...これは、間違いなく私たち霊媒師を狙った犯行だ。

伊神さんが深刻な様子で説明した。


「なるほど。」

春奈は納得した様子で言う。


「心配するな。

私たちがついているから安心しなさい!なんたって、私たちは...」そう言いかけた時、車がガタッと揺れた。

伊神さんは運転席の綾野さんに向かって言う。


「まったく、綾野ちゃん、しっかりしてくれよ。

いいところだったのに...」

「しょうがないじゃない。

久しぶりの運転だから楽しまなくちゃ損よ!」綾野さんは言い、さらにスピードを上げていった。

伊神さんが不安そうに言う。


「でもさ、普通に危ないよ。

本来なら帳の人が運転するはずだったのに、綾野ちゃんが『私が運転する!!』って言って駄々をこねたから仕方なく運転させたんだからね。」

しかし、綾野さんは「イェーイ!!」と叫び、伊神さんの忠告を無視して荒っぽい運転を続けた。


その様子を見ていた天馬と春奈は、(これ...生きて帰ってこれるかな?)と心配していた。


そして、 何とか無事にZ町に到着することができたが、行方不明事件と綾野さんの危険運転により、一行は緊張を隠せなかった。


「ここが、Z町か。」

一行は気を取り直し車から降りる。

そこは、静かな住宅街だった。


「どうする?まずは情報集めから始める?」と春奈が聞く

「そうだな・・・。」

すると、伊神さんが言う

「心配ご無用、これぐらいの住宅地なら聞き込みよりこっちのほうが早いだろう。」

そして、懐から霊媒師の必須アイテム『勾玉』を取り出した。

そして、三人にそれぞれ配る。


「4人で手分けして探すことにしよう。

もし、勾玉に反応があったら電話をしてくれ。」


「はい。」

と、4人はそれぞれの方向に向かっていった。

そして、天馬は住宅街を歩き回ってたその時、勾玉に反応があった。


「ここは・・・」天馬はその場所を見る。

なんと、目の前には古い雰囲気の学校がそびえたっていた。

そして、天馬はさっそく春奈達に電話をかける。


そして、春奈達は天馬が呼んだ学校の前に来た。


「ここか・・・。

確かに怨霊の存在が強く感じられる。

それにしても、凄まじい霊気だ。」


「でも、こうでもなくちゃ、楽しめそうにないわよ。」

綾野さんが笑顔で言う。


「確かにな。」

と伊神さんは言う。

そして、4人は早速中に入る。


「見る限り、もう使われなくなった学校のようだ。

そもそも、Z町は事件が起こる前から少子化が進んで人手が少なくなっていたからな。

ここも、その影響で廃校になったんだろう。」

と、伊神さんが言う。


「なるほど・・・」そして、学校の中を進んでいく。

すると、伊神さんがあることに気づく。


「おい・・・これって」それは、学校の廊下には血痕があった。

しかもまだ新しい血だ。


「これは・・・もしかしたらもしかするかもしれないな・・・。」

そう言っていると、春奈が何かを見つける。


「ねえ・・・。

これ見てよ!!」春奈の指さす先を見るとそこには、なんと赤い壁が廊下をふさいでいた。


「ねえ・・・。

これ見てよ!!」春奈の指さす先を見るとそこには、なんと赤い壁が廊下をふさいでいた。


「なんだ・・・これは?」天馬が驚く。

すると、伊神さんがその壁に触って驚いたようにすぐに手を引っ込める。


「これは・・・肉。

人の肉でできた壁だ。

しかも、生きている。

生きた、人の肉だ。」


「一体、これは・・・」天馬が驚いて言う。

すると・・・

『ギシ!ギシ!』と、背後から廊下がきしむ音が聞こえた。

見ると、そこには上は白のトレーナ下は黒のジーンズのズボンを履いた白髪の若い男がいた。

すると、伊神さんがその男に言う

「誰だ、君は・・・。

見る限り、ここの職員などではなさそうだな。」

すると、男が口を開いて言う

「お前たちが、霊媒会での上位にあたるもの者達か。

確かに感じられる力がすさまじいな。」

伊神さんがその男に言う

「一体君は・・・。」

すると、男は微笑を浮かべる。


「紹介がまだだったな。

俺は、カイルという者だ。

今から、お前たちを抹殺する名だ。

しっかりと覚えとけ。」

天馬はそれに反発したかのように言う

「それはこっちのセリフだ・・・」そして、持っていた長ドスを引き抜こうとした時。

天馬の横を凄いスピードで走り抜けた人がいた。

綾野さんだ。


「先に私が相手よ!」そして、腰におさめしていたナイフを抜いた。


「まずは、一人目か・・・。」

すると、カイルの右腕がうごめき赤い人の肉で包まれた。

そして、人肉で包まれた右腕は膨張して巨大化した。


「な!!」天馬達はその光景を見て驚いた。


「くらえ!!」そして、カイルは巨大化した右腕を綾野さんにぶつけようとした。

しかし・・・

「よっと!」綾野さんはそれを軽々とかわし巨大化した腕の上に乗り走り抜けた。

そして、ジャンプカイルの背後に回り込んだ。


「まったく、危ないところだったわ。

でも、スリルがあって楽しかった。」

綾野さんが笑顔で言う。

すると、カイルが笑いながら言う

「そうか、ならもっと楽しましてやる。」

すると、カイルの背中から6本もの人肉でできた触手が飛び出た。


「さあ、いくぞ!」すると、6本の触手が綾野さんに襲い掛かる。

そして、カイルは笑いながら言う

「はははは!どうだ?俺力は!!」しかし・・・

「・・・でも、まだまだね。」

と綾野さんは余裕の表情で言った。

なんと、彼女はその触手を軽々と避けていたからだ。

そして・・・

「私ばっかり、気にとられていていいの」そして、カイルの前方に指を指す。


「何!!」見ると、前方に伊神さんがこちらに向かっていた。

そして、懐から2丁のマグナムを取り出した。

そう、これこそが伊神さんの霊具だ。


「くらいな!!」そして、2丁のマグナムを撃つ。


「ぐあ!」カイルはまともにマグナムを食らった。

すると、その弾丸はカイルの肉にめり込み血しぶきが飛ぶ。


「く・・・・なかなかやるな・・・。」

そして、背中にあった触手を動かして伊神さんに襲い掛かる。

しかし、伊神さんもそれを華麗に避けて言う。


「それはどうも・・・」と余裕の表情だ。

すると、綾野さんが言う

「まったく・・・。

一人で楽しむなんてずるいわよ」と笑顔で言う。

見ると彼女の手にはナイフが握られていた。

そして、彼女はそのナイフをカイルの触手に投げた。

すると、見事に命中した。


「ぐあ!!」と、カイルが叫ぶ

「く・・・くそ」すると、伊神さんが言う

「今だ!天馬君達!」それを聞くと天馬は刀を構え抜き、春奈は傘の先端から刃を出した。


「いくぞ、春奈!」その天馬の掛け声に答えるかのように春奈が『ええ。』

と答えた。


そして・・・

『スパッ!!』と、カイルの右腕を切り落とした。


「ぐあ!!」と、カイルはうめくように叫んだ。

しかし、すぐに切り落とされた腕を再生させた。

そして、天馬達を見る

「小賢しいな・・・。

だが、そうでもしなくちゃ面白くない。」

すると、今度は両腕を巨大化させた。

そして、両腕を前方と後方に構えた。


「今度は避けきれるかな?」すると、巨大化した腕が勢いよく伸びたのだ。


「まずいな。

急いで前方へ走るぞ。」

そして、背後から襲ってくる巨大化した手を避けるために天馬達は急いで走り窓から外へ飛び出した。


「うわあああ!!」天馬達は、飛び降りて地面に落下したが何とか無事だった。

着地した場所を見渡すとそこは、学校のグラウンドのような所だった。


「いててて!、綾野ちゃんとはぐれちゃったな・・・。

まあ、あいつは大丈夫だろう。」

と、伊神さんが言う。


「それよりも・・・。」

すると、目の色を変え上空を見上げる。

天馬も何事かと見上げると上からカイルが降りてきた。


「くそ、なんて奴だ。」

伊神さんは言う

「さあ、続きを始めよう。」

すると、カイルの両腕が形を変え今度は剣状になった。


「くう!!」伊神さんは2丁のマグナムを構える。


「いくぞ!!」そして、カイルは剣状になった両腕を動かし斬撃を飛ばす。


「く!!」伊神さんはそれを華麗に避ける。


「今度はこっちの番だ!」そして、2丁のマグナムをカイルに向けて放つ。


『ズキューン!ズキューン!』と、弾丸がカイルに向かって飛んでいくが・・・

「ふん・・・」カイルは剣状になった両腕で弾丸を切り裂いた。

すると、切り落とされた弾丸が地面に落ちる。

それを見た天馬が言う

「なんて奴だ・・・。」

すると、カイルが言う

「もう、お前たちの攻撃は見切った。

次はこちらから行くぞ!!」そう言ってカイルは体を360度捩じり体が回転した。

それは、まるで回転をしているコマのようだった。

そして、カイルは回転した体で春奈と天馬に襲い掛かる。


「避けろ!二人とも!」伊神さんの声に、天馬と春奈は一瞬立ち止まった。

しかし、カイルは高速に回転させ一瞬で二人との距離を縮める。

逃げる暇もなく、絶体絶命の状況だった。


「くそ。

こうなったら・・・・。」

伊神さんは、二人を守るため、自らカイルの攻撃の前に立ちはだかった。

カイルの剣状の腕が、伊神さんの背中を深々と切り裂く。


「ぐあ!!」伊神さんは、勢いよく前方に飛ばされる。


「「伊神さん!!」」天馬と春奈は、伊神さんに駆け寄った。

背中の傷口からは大量の血が流れ出ていた。


「伊神さん、大丈夫ですか?」天馬は心配そうに尋ねる。


「ああ・・・大丈夫だ。」

伊神さんは、必死に笑顔を浮かべた。

しかし、その表情は苦しげだった。


「これは・・・まずいわね・・・。」

春奈は、深刻な表情で伊神さんの傷を見つめる。


「くそ・・・」天馬は、悔しそうに呟いた。

その時、ゆっくりとカイルが近づいてくる。


「くそ・・・。

ここまでか。」

天馬は、もはや希望を失いかけていた。

カイルが剣状の腕を振り下ろそうとした時、銃声が響き渡る。


『バン!バン!』カイルの頭が射抜かれ、削れ落ちた。


「くそ。

なんだ!」カイルは背後を振り返ると、そこに綾野さんが立っていた。


「ごめんね~。

この学校やけに広くてさ~迷っちゃってた。」

綾野さんは、いつもの笑顔で言った。

しかし、その笑顔は、天馬と春奈を安心させた。


「そういえば、もう一人いたか。」

カイルは、綾野さんを睨みつける。


「天馬君達は、綾野ちゃんの援護を頼む。

俺もしばらく傷をいやしてから行く。」

伊神さんは、必死の思いで言った。


「伊神さん・・・。

分かりました。」

天馬は、頷いた。

春奈も同じように頷く。

二人は、綾野さんの援護に向かった。


「まったく、小賢しい。」

カイルの左手が再び変形し、今度は棘が付いたひも付きの鉄球へと変わった。

それを綾野さんに向けて投げる。


「おっと!」しかし、綾野さんはその鉄球を軽々と避けた。

すると、カイルの右腕がまた剣状になり、今度は巨大な斧へと変わった。


「くらえ!!」カイルが斧を振り下ろそうとした時、突如、カイルの背中が爆発した。


「がは!!・・・・。

なんだ!」背後を振り返ると、春奈と天馬がこちらに向かって来ていた。


「くらいなさい。」

春奈は傘の先端からエネルギー弾を発射する。


「次から次へと・・・。

面倒くさい奴らめ。」

カイルは春奈達に向かって斧状の右腕を振り下ろし、大きな斬撃を飛ばした。

その斬撃でエネルギー弾はすべて破壊された。


「な・・・。」

春奈がそう言っていると、天馬は前に出た。

そして、長ドスでその斬撃を切り裂いた。


「何!!あの斬撃を・・・」カイルは驚いた。


「ふふん。

私の武器もすごいのよ!」綾野さんは、余裕の表情で言って拳銃を取り出す。


『ズキューン!ズキューン!』と2丁の拳銃がカイルの体をえぐる。


「ぐあ!!」カイルはうめくように叫んだ。


「今よ!!天馬。」

一気に天馬と春奈はカイルの懐に入り込み、体を突き刺した。


「ぐあ!!」カイルは、体をくの字に曲げる。


「くそ!!だが・・・。

これくらいなら。」

カイルは右腕の斧を振りかざそうとした。


『バン!バン!』と2つの銃声が鳴り響き、カイルの頭が勢いよくえぐれた。


「させないわよ。」

綾野さんが言う。


「く・・・。

くそ・・・体が・・・」天馬が叫ぶ

「いまだ!!春奈!!」二人はカイルの体にしがみつき、刀でカイルの体を切り裂いた。


「ぐあああああああ!!!」カイルは断末魔の叫びをあげると、そのまま倒れ込み動かなくなった。

しかし、まだ霊魂は破壊できておらず、虫のようにピクピクと動いていた。


「よし、後はとどめだ。」

天馬が言った。


「ええ。」

二人はカイルに近づきとどめを刺そうとした。

その時。


「二人とも、そこから離れろ!!!」背後から伊神さんの声が聞こえた。

何事かと振り返ろうとした際、大きな影が2人を覆った。


「なんだ。」

春奈と天馬は上を見上げると、そこには巨大な木の手があった。


「な・・・。」

春奈は驚きのあまり言葉が出なかった。

その巨大な手が、二人を押しつぶそうとする。


「くそ!・・・」天馬がそう言った時、『ズキューン!』と銃声が響いた。

すると、巨大な手が一瞬だけ動きを止めた。


「今だ、避けろ二人とも!!」伊神さんの声が聞こえる。

天馬と春奈は、その巨大な手をよけた。


「なんだ、これは・・・。」

その手を見て、そこにいた皆が驚いた。

その手は、全て木材でできており、驚いたのは、その手が学校の校舎から飛び出していたことだ。

なんと、その巨大な手と校舎は合体していたのだ。


「一体、これはなんだ?」そうこうしているうちに、カイルが再生して起き上がった。

目の前にある巨大な手を見て、カイルは驚愕した。


「この技って、ま・・・まずい。」

カイルが後ずさりした時、どこからか声が聞こえた。


「カイル・・・。

あんたどこ行くき?」その声と共に、上から何者かが降りてきた。

そこにいたのは、顔立ちが整っていた女性だった。


「あれは・・・何者だ?」天馬が驚く。

その女性はカイルに近づき、耳を引っ張る。

そして、説教するように言った。


「あんたね、なに普通に負けちゃってるのよ。

私たち、魔災レベルはどんなことがあっても決して負けちゃいけないの。

さんざん教えたでしょ!」耳を引っ張られて痛がる様子を見せたカイルが、その女性に対して言った。


「ごめん、姉さん。

ただ、たまには俺一人だけでもやれるようになりたくて・・・。」


「姉さん、って言ったよな・・・。」

天馬はカイルの言葉に驚愕する。


「全く。

あんたが、一人前になるなんて100年早いんだから!何かあったらすぐに私を頼りなさいっていつも言ってるでしょ!」その女性は、カイルを叱責するように言った。


「ごめん。

姉さん・・・。」

カイルは謝罪の言葉を漏らす。


「何者なんだ、一体君たちは・・・。」

伊神さんが二人に問いを投げかける。


「あんた?私の弟に傷を負わせたの?」すると、その女性は伊神さんの言葉に反応し、こちらを睨みつけた。


「弟・・・。

やはり、君たちは。」

伊神さんは、バーサの言葉から真実を悟ったようだった。


「そうよ、私の名前はバーサそしてこっちは弟のカイル。

私たちは、姉弟よ。」

バーサと名乗った女性は自らの正体を明かした。


突如現れた、姉と名乗る怨霊『バーサ』そして、弟の『カイル』。

天馬達の目の前に二人の魔災レベルの怨霊が立ちはだかった。

そして、これから想像もつかないような、驚愕の戦いが始まろうとしていた。


・・つづく・・


今回のイラストは魔災レベルにして弟の『カイル』です。

https://kakuyomu.jp/users/zyoka/news/16818093077227405551

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