2

 ある夜、ヒロトが眠っている時のこと。

 ヒロトを起こす声がするのです。

「もう、朝⋯⋯?」

 ヒロトは眠い目を何とか開けました。

 すると、そこにはサンタクロースがいたのです。

 ヒロトは、慌てて飛び起きます。

「サンタさん!?」

 ヒロトが叫ぶと、サンタさんは指を口もとにあてて、「しーっ、静かに」と言います。

 次に、なんとサンタさんは「ヒロトくん、わしの家でおもちゃを作るのを手伝っておくれ」と言いました。

「なんで?」

 ヒロトは意味が分からず、尋ねます。

「わしらサンタは、世界中の悪い子の情報を知っているんじゃ。そして、一年で一番の悪い子をその中から二人選んで、助手にする。今年の世界一悪い男の子には、君が選ばれたのじゃ」

「えっ、おれが?」

「そうじゃ。君は今年、給食の嫌いな野菜をこっそり捨てたり、宿題をしていないのに、したと嘘をついたりしていたのう。ああ、それから⋯⋯」

「ストップ、もういいから!」

 ヒロトが、大きな声で遮りました。

「もし、手伝ってくれるのなら、特別にプレゼントを二つあげよう」

「ほんと!?」

「ああ、本当だとも」

「うーん⋯⋯分かった、やる!」

「ホッホッホ、では、さっそくわしの家に行こう」

「うん!」

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