JD脱落Pとオジサン作家の不変的な食卓
光延ミトジ
第1話 十二月、初旬
山の冷たい風が枯葉を揺らしている。
旭ほなみが大学を中退し、良く言えば風光明媚、言葉を選ばず言えば山と川しかない吸収のド田舎に居を移して二か月が経過した。
広い庭付きの平屋は三年前まで祖父の重蔵が住んでいた家だ。今年八十歳になる祖父は、十年前に祖母を亡くして以来ひとり暮らしをしていた。しかし三年前『身体にガタがきた』と言うと、自ら入所の手続きをし、山の麓の町にある老人ホームへ移って行った。
その時から空き家になっていた家を、この度、都会を離れることにした孫――ほなみが譲り受けたのである。母方の祖父母の家である徳倉家には、小学生の頃、祖母が亡くなるまで夏休みになると遊びに来ていた。近所の住人たちも、内心はどう思っているかわからないが、表面上は和やかな空気で受け入れてくれた。
移住して二か月。最初の内は、三年も空き家になっていた家の片付けや補修、ネット環境を整える工事などで慌ただしく過ごした。今はようやく生活が落ちつき、毎日のルーティンができはじめた。
ほなみの朝は遅い。太陽が高く昇った十一時頃に目を覚ますと、スマホを触りながら歯を磨き、顔を洗い、昼食の支度をはじめる。買い物は五日に一度だ。山の麓の町にあるスーパーで一気に買い溜めをして、冷凍庫に入れられる食材は全て入れてしまう。出無精なのだ。毎日車を運転して下山する気力はない。
買い物を明日に控えた今日、冷蔵庫の中に食材はあまり残っていなかった。だが計算通りに料理を作ったため、今日の昼と夜、明日の昼の三食分はある。
(炒飯でいいか)
石油ストーブをつけ、台所を温めつつ、石鹸で手を洗った。清潔なタオルで手を拭く。自分だけしか使わないとはいえ、何度も同じタオルを使うのは好きではない。このタオルを使うのも料理を終えるまでだ。
冷凍保存していた米をレンジで解凍する。その間にネギとハムを刻み、冷蔵庫に残っていた卵をふたつ全て割った。その内のひとつは黄身と白身に分け、全卵ひとつと黄身を菜箸でほぐす。ついでにスープ用のエノキを切っておく。まな板と包丁の出番は終わりだ。洗って拭いて、所定の場所に戻した。
そうしている間に米の解凍が終わる。あらかじめ作り置きしていたネギ油――低温のサラダ油でネギとニンニクを焦げないように弱火で二十分ほど加熱したもの――を強火のフライパンで熱し、ほぐした卵を流し入れた。香ばしい油と卵の匂いが台所に広がる。フライパンで焼きつけながら、頃合いを見計らい、米を投入して混ぜ合わせた。火は強火のままだ。卵は火が入ると香りが立つ。
卵と米に火が通ったら中火にし、ネギとハムを入れて炒めた。細かく刻んでいるため火はすぐ通る。塩と胡椒で味をつけ、仕上げに日本酒を少し鍋肌に回し入れた。ベチャッとした食感にならないように、水分をしっかりと蒸発させるのが大事だ。器を用意して丸く盛った。
このままでは非常に薄味だ。軽く濯いだフライパンに水と中華スープの素、醤油を入れて火にかける。ストックしておいたホタテの水煮缶を開けて、中の汁をフライパンに入れた。ひと煮立ちする間に水溶き片栗粉を用意する。
ちょうどフライパンの中が沸騰し、缶の中のホタテの水煮を入れた。一度温度が下がるが、すぐに沸騰し、そこで水溶き片栗粉を入れる。片栗粉にはしっかりと火を通さなければならない。トロミがついてきたところで、残しておいた卵白を菜箸でほぐして加え、ふんわりと混ぜていく。ホタテの旨味が染み出したあんを炒飯にかけたら完成だ。
(スープ……)
小鍋に湯とエノキを入れ、固形のコンソメを加える。沸騰を待つ間に乾燥ワカメを水で戻し、フライパンなどの洗い物も済ませた。終わる頃には鍋が沸騰しており、ワカメを入れ、めんつゆとごま油で味を調える。器に注ぎ、残しておいた刻みネギを乗せて炒飯の横に置く。
炒飯とスープ、温かい緑茶を居間のコタツまで運ぶと、時間は十二時になろうとしていた。コタツの電源を入れる。そろそろ時間だ――と彼女が思っていると、玄関の扉が開く音が聞こえた。続いて足音がして、閉ざしていた横開きの扉が開く。
「いらっしゃい、先生」
「寒い寒い。外は木枯らしだ」
家に入って来たのは隣の家に住む作家、桐生龍樹である。
十年前、四十歳になったのを機に東京から移住してきたそうだ。その頃、ちょうど祖母が亡くなり夏休みに遊びに来ることもなくなったため、二か月前、初めて顔を合わせた。
今年五十歳になる彼は、飄々とした空気を纏い、常に和服と縁なしの眼鏡を身につけている。本人曰く『そのほうがミステリー作家の雰囲気が出るだろう?』とのことらしい。首元を覆う防寒具のマフラーはカシミヤの上等な物だ。
黒の革手袋をはめた手に、桐生は茶色の紙袋を抱えていた。躊躇なく居間に入って来て、当然のように座布団に腰を下ろし、コタツに足を突っ込んだ。
「まだぬくもってませんよ」
「なーに。外に比べれば極楽だ。ああ、ほら、パン」
差し出された紙袋を受け取る。仄かに温かい。買って来たばかりなのだろう。
「ありがとうございます。でも今日は炒飯なので」
「あんかけか。うん。半分もらおう」
「お皿、持ってきます」
かれこれ二か月前から桐生は昼時を狙ってやって来た。慌ただしく後片付けをしていたほなみに声をかけ、焼き立てのパンを差し入れてくれたのが始まりだ。食事をおろそかにしているのに気付かれたのだろう。職業柄、彼も一度深く集中するとそうなるらしい。
最初はもらってばかりだった。だが後片付けなどが済み、毎日の生活が落ち着いてからは、ほなみも昼食の『おすそわけ』をするようになった。
台所から皿とレンゲ、器に注いだスープと温かい緑茶を持ってくる。桐生は黒い革の手袋とマフラーを外して傍らに置いていた。ほなみは正面に腰を下ろす。そしてあんかけ炒飯を取り分けて桐生の前にスープと共に差し出した。
「うん、いい匂いだ。これは間違いなく美味い」
「せっかく褒めるなら食べてからにしてくれます?」
「はは、それはそうだ。ではいただこう」
「いただきます」
手を合わせて、雪のようなあんがかかった炒飯をレンゲですくう。熱々のあんとネギ油が香る炒飯は絶妙な組み合わせだ。あんをかけることを考慮して、炒飯の味つけを薄めにしていたのも功を奏した。水煮缶でもホタテの香りが十分する。
「うん、美味い。冷えた身体に染みるなあ」
「ちゃんとパラパラにできました」
「歳を取ると普通の炒飯より、あんがかかっていたほうが食べやすい。ん……スープもいい味だ。ごま油がいいな」
「パン、出してもいいですか?」
「ああ、もちろん」
紙袋を開けると小麦の香ばしい匂いが立った。
「どこのお店ですか?」
「乙部町の『川田パン』だよ」
「隣町……」
「残念ながらこの町にはパン屋がないからね。うちの町を囲む四方の町にはあるというのに、いやはや、どうしてだろうか。商工会の手が回っているのかねえ。確か今の会長は弁当屋だった」
「陰謀説? 作家の悪癖ですね」
「はは、否定できないな」
話ながらほなみが紙袋の中を見ると、ビニール袋で個包装された小振りなパンがいくつかと、大きなカンパーニュが丸のまま入っている。一個ずつコタツの上に取り出した。
「美味しそうですね。コレは?」
「ホワイトチョコとクランベリーのパンだったかな」
「オシャレだ……! こっちは?」
「にんじんのフォカッチャだそうだ」
「ふぉかっちゃ。響きが丸くていいですね」
「響きが丸いか。なかなか文学的な表現だね。ほなみさんが作る音楽に通じるものを感じるよ」
「そうですか?」
「うん。若い子の感性……とひとくくりにしてしまうのは少々雑で、また違うのだろうね。きみの音楽は。もっとも、いい刺激になるのは間違いないのだけれど」
ホワイトチョコとクランベリーのパン、にんじんのフォカッチャを並べ、ほなみはコタツを出た。隣接する台所にパン用の包丁を取りに行く。引っ越して来た当初はなかったその包丁はネット通販で購入したものだ。
包丁を取って戻って来ると、桐生はあんかけ炒飯を食べ進めていた。ほなみは刃がギザギザしたパン用の包丁をコタツの上に置き、紙袋の中に手をつっ込む。
「せっかくの食事が冷えてしまうよ?」
「パンも冷えるじゃないですか。炒飯はチンすればいいだけですし。それより、どんなオシャレパン屋さんなんですか?」
「そうだねえ。川田パンはかわいらしいお嬢さんがふたりで切り盛りしていたよ。川辺の民宿の一階がお店になっていてね。あまり大きくはないけれど、お嬢さんたちの好きなものや感性がつめ込まれているのがわかる店だった。ああ、あんバターサンドもオススメだそうだから買ってきたよ」
ほなみは「あんバターサンド……」と呟きながら、パンを取り出した。ロールパンほどの大きさのソフトフランスにつぶあんがはさまっている。しかしあんバターと銘打っていながらバターが行方不明だ。
「バターは?」
「別添えだよ。袋の下のほうに落ちていったかもしれない」
「……あ。ありました。さっそく挟みましょう」
ビニール袋の個包装から出して、つるつるしたペーパーに包まれた板状のバターを挟む。そしてパン用の包丁で半分にカットした。同じように、他のふたつのパンもカットする。残るは丸いカンパーニュだ。
「何枚にカットしておきます?」
「うーん……丸のままではあるが、さほど大きくはないからね。五枚……そう、五枚にカットしてくれるかな?」
「了解です。今食べます?」
「さすがに入らんよ。今日の夜食か明日の朝食だね」
「ピザトースト……じゃなくて、ピザカンパーニュにします? トマトソースを塗って、チーズとピーマンとツナを乗せて、あとは焼くだけにしておきますよ」
「ああ、ありがとう。とても助かるよ。もちろん、ほなみさんの分もちゃんと作るんだろう?」
「わたし、夜は食べないので。作業してたら朝ですし……」
じーっと咎めるような目で見られて、どことなく気まずい。彼女の声はだんだん小さくなり、視線を泳がせ――誤魔化すように半分にカットした、あんバターサンドを口に運んだ。逃げるように食べたわけだが、硬すぎず柔らかすぎずのパンと甘いあんこ、バターの塩味が絶妙だった。
「若い時分の不摂生は歳を食った時に祟るよ」
「……それは経験則ですか?」
「夜は筆が進むからと、寝食を疎かにしてしまった。おそらくきみもその口なんだろう? 音楽作りは夕方から夜にして、朝、日が昇る頃に眠りにつく。生活のリズムというものは急には変えられないものさ。けれどせめて寝か食か、どちらかは気にかけておいたほうがいい」
「まあ……先生がそう言うなら、善処します」
「うん。そうしてくれると、私も安心だよ」
善処は善処であって実行するとは約束していない……と、相手が桐生龍樹でなければ、そんな捻くれたことを言っていたかもしれない。
単純明快な話、旭ほなみは作家・桐生龍樹のファンである。ミステリー小説を書かせれば日本で五本の指に入ると言われ、書く作品、書く作品、ベストセラーになるような天才作家だ。多くの作品は映像化され、テレビ局や映画の配給会社が新作の映像化の権利を我先に手に入れようとしているらしい。
「音楽に関しては門外漢だけれど、ほなみさんには才能があると思う。今はインターネットで……なんと言ったかな、機械に歌わせているのだろう?」
「そうですね。音声合成ソフトで、いろいろと」
「アカウントを教えてもらってから、全て拝見させてもらったよ。インターネットの世界で、若者に向けた音楽だからね。多少、過激で独創的な世界観を強めに押し出しているようだけれど、よく聞けばわかる。文学的な美しい表現と、日本語が持つ特有の音が耳に残る、素晴らしい曲ばかりだ」
「っ、ありがとう、ございます……でも、正面から褒められると、照れくさいです」
「はは、そうか。だったら褒められ慣れておきなさい。いずれインターネットの海を飛び出し、本当の意味で大衆に向けた作品を作るようになった時、きみは多くの賞賛と羨望の眼差しを向けられることになるよ」
「そ……そこまでにはならなくても、食べてさえいければ……」
絶賛されすぎて、喜びよりも先にいたたまれなさがくる。半年前の自分なら嬉しくてたまらなかったのかもしれないが、少なくとも、東京からこの田舎町に越してきた今は、素直に喜べない。
「東京は生きにくい場所だったかい?」
「……え?」
唐突な問いに反応が遅れた。
「音楽で食べて行くために東京へ出て行く若者は多くいるけれど、すでに食べて行くことはできるからと、東京から田舎へ移り住む若者はそういないよ」
「それは……まあ、ネット環境さえ整っていれば、場所はどこでもいいので……」
「なまじ才能がある分、ひとりで音楽を作れてしまうんだね」
「才能云々はともかく、クオリティを気にせず、時間があるのなら、誰でもひとりでできると思いますよ」
「へえ、そうなのかい?」
「曲を作って、歌詞をつけて……ミックスのやり方は本やネットで調べればいいし、背景のイラストはあったほうがいいけど、まあ、再生数を気にしないならなくても問題はないし……極論ですけど、最初から最後までひとりでできるんです」
ゼロではなかったが、東京にいた頃から人との関りはそれほどなかった。税金や難しい契約関係を任せる専門家はいたが、それ以外の『リアルでの』知り合いはさほど多くない。同じ界隈で活動する人とはネット上でつき合いがあるが、オフ会に参加することもなく、顔を合わせたりしない相手だ。
「現実での人間関係は希薄だったし、大学以外で外に出るほうでもなかいので、だったら家賃や物価が低いほうがって思ったんですよね……あ。そういう意味では生きにくい場所なのかもしれません」
ほなみは冗談めかすように肩を竦めた。
インターネット上に公開している曲は爆発的な再生数を稼ぎ、固定のファンもついている。新曲を発表すればユーザーはすぐに反応をしてくれて、SNSでトレンドに入るほどだ。生きていくのに充分な収入は余裕であった。
あんバターサンドを食べ終えて、緑茶を飲む。口の中の甘さとバターをスッキリさせてから、にんじんのフォカッチャに手を伸ばした。フォカッチャの歯触りを楽しみつつ、スライスされたにんじんの自然な甘さを味わう。
「……美味しいかい?」
「はい」
「きみは誰かに傷つけられたのかい?」
「……ふぁい?」
ちょうどパンかぶりついたところだった。もぐもぐ咀嚼しながら首を傾げる。正面の男はレンゲを置いて、緑茶が入った湯呑に口をつけた。
「人が生活の基盤を変える時は何かあるものだよ」
「ふと思い立っただけですよ」
「旅行でもなく、大学を辞めてまで移住を? それは驚きだね。私はきみが思慮深く慎重な人だと思っていたから。まさかそれほど行動的な人間だったとはね。やはり二か月やそこらでは人のことなどわからないものだ」
ははは、と笑う桐生の目尻には深い皺が寄っている。
「降参……ウソですよ。多少の衝動はありましたけど、そこからは、よくよく考えてのことです」
「生活には困っておらず、大学に行けるくらいだから引きこもりでもなく、好きなこともある……それにも関わらず生活を一変させた理由は?」
「人間関係が煩わしくなったから、とか?」
「おかしな話だね。本当に人間関係が煩わしいのなら、知り合いのいる田舎になんて越して来ないさ。それならば知り合いなどいない都会のほうが、よほどひとりで暮らせる」
「……二度目の降参です」
そう言って、残っていたにんじんのフォカッチャを口に詰め込んだ。咀嚼して、飲み込む。
その間、桐生は緑茶を飲みながら黙っていた。嫌な沈黙ではない。彼との間に流れるのは落ちついた静けさだ。急かされず、慌てずにいたからだろう。パンがなくなった彼女の口は自然と、言葉を発する。
「恋人が浮気していたんです」
「恋人がいたのは不思議ではないけれど……恋愛で生活を変えるような質の子だとは思わなかったなあ……」
「二十歳そこそこの小娘ですもん。恋愛のひとつやふたつで、身持ちも生活も崩してしまいますよ」
「普通ね……二十歳そこそこのお嬢さんは、普通、そんなことを言わないものだよ」
「昨今の若者は早熟ですから」
「ほら、その言い様だ。大事なものを傷つけられるような、ドラマチックな経験をしていなければ、そうならないさ」
桐生は呆れたような、しかしどこか面白がっているような笑みを、口元に湛えていた。彼の筋張った指が動き、半分にカットされたあんバターサンドを手に取る。半分とはいえあんかけ炒飯を食べ終え、いつの間にかスープもなくなっていた。細身の体からはそう見えないが、よく食べる人だ。
(そして、意外と大口)
小振りなあんバターサンドを半分にしたソレは――桐生の大きく開いた真っ赤な口の中に、ひと口で消えていく。口の端にはみ出たあんこを親指で拭い、舐めとる仕草が妙に色っぽい。
きっと、そんなところを見たせいだ。
「十個くらい年上の恋人だったんですけど、ベッドでね、他の女の人とシていたんです。セックス――」
そんな、直接的な言葉を選んでしまったのは――
桐生龍樹はわずかに目を見開き、驚きの感情を表に出す。ほなみは、しまったと思いはしたが吐き出した言葉は戻ってこない。気まずさを誤魔化すように、ホワイトチョコとクランベリーのパンに手を伸ばす。
「なるほど。寝取られたのか。やや型番通りの展開ではあるが、確かに、ドラマチックではあるね。もっとも、私の作品内であれば、もう少しドラマチックな展開にするだろうけれど」
「……デリカシーのない言い方ですよ、それは」
冗談か本気かわからないけれど、鋭い人だ。ほなみは深く息を吐く。パンを口に運びはしたけれど、もう、お腹はいっぱいだった。
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