イキアタリバッタリ
Uzin
旅路の準備
第1話 神様の行き当たりばったりな対応
その日世界は未曾有の大災害に見舞われるはずだった。
しかし、その世界を管理する神様はそれに対応した。
その対応の仕方とは、その世界に降りかかる未曾有の大災害という不幸を別のものに転換するというものだった。
その結果その世界にはその不幸を集約したダンジョンと呼ばれる魔物を輩出する存在が生まれた。
そのダンジョンは不幸を集積する装置であった。
未曾有の大災害以外の不幸も集積し魔物を生み出す代わりに、人々が知らず知らずのうちに人々の不幸をなくしていった。
だから、世界中の不幸を集積していったダンジョンはドンドンと肥大化していった。
魔物の数は増え続けダンジョンから溢れる様になってしまったのだ。
神様はこれに対応した。
人々に力を与えたのだ。
魔物を倒すことによって魔物をカードとしを手に入れ、それを使役する力を。
人々はその使役した魔物の力を使ってダンジョンから溢れる魔物達と戦い均衡を保つことに成功する。
しかし、それでも世界中の不幸を貯め続け肥大化し続けるダンジョンに対応しきれなかったのだ。
そこで神はさらに対応することにした。
人々に知識を与えることにしたのだ。
高度な知識を与えられた人々は、知性を持つロボットを生み出すことに成功する。
人々はモンスターカードと知性を持つロボットを使いダンジョンとの共生を計ったのだ。
しかし、幾許かの時が過ぎるとロボット達は境遇に不満を持つようになっていった。
知性を持ったロボット達は使い捨てられるように自分達がダンジョンを攻略させられることに耐えられなかったのだ。
ロボット達は人間に反逆した。
こうして人々は魔物だけではなく、ロボットからの脅威にも怯えるようになってしまった。
それでも、高度な知識を与えられていた人々は何とか抗った。
しかし、それでも限界は訪れてしまう。
神はさらに力を与えることにした。
ロボットを恭順化させ従える為の超能力を。
人々の意思に反して活動するロボット達は徐々に数を減らしていった。
だが、ここである病原菌が世界に蔓延してしまった。
その病原菌に感染してしまうと、魔物をカード化する力とロボットを恭順化する力や超能力を失ってしまう。
人々にとって対魔物と対ロボットとの切り札であった能力が限定的なものになってしまった原因だった。
この頃になると、嘗て人々に与えていた高度な知識で成り立っていた文化文明は衰退してしまっていて、一部の技術のみが継承されるのみとなってしまっていた。
しかし、ダンジョンによる不幸の吸収によりなんとか人々は日々を暮らすことに成功するが、それと同時に魔物に怯えながら、ロボットの脅威に晒される日々を過ごすのが当たり前となってしまっていた。
人々の生存権は狭まり、魔物やロボットが忌避する道具が設置された場所でしか禄に生活出来なくなってしまっていた。
それも、その道具の製法が人間から失われロボット側しか持っていない状態になってしまっていた。
神様はこの現状を省みさらに手を入れることにした。
魔物やロボット達を倒すことでアイテムをドロップさせるようにしたのだ。
だが、この試みは不幸という材料を使用してアイテムを作成する為、それ程の量を作ることが出来なかった。
それでも、インフラを分断されて禄に経済が回らなくなってしまった人々にとってはとても有益なものであったのだ。
そして、神様は更なる梃子入れをする…
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