第4話
平安時代に風呂はどうしてたかというと貴族は風呂殿って所で湯帷子という裏地のない麻の単衣を着て入り、体を熱で蒸して出たてきた垢を拭き取るとかそういうの。
湯に浸かるのもあったけど小さいから俺はあんまり好きじゃない。
入るならこうドーンと贅沢感出したいじゃん。
それで作ったのが公衆浴場!都のちょい外れの方に作って~管理は貴族じゃない、街の人に持ち回りで頼んである。ちゃんと給料も、出してるよ。お金を払えば誰でも入れるし。
貴族の所に作るとアイツら独占するからね。あー権力者って何でいつもそうなんだろうねぇ。
「着きました」
「やっぱりやめない今日は」
「無理ですね、私は晴明様がここ作って風呂の良さに目覚めてしまいました。毎日入らなきゃ気持ち悪くてしょうがない」
「俺は入らなくても大丈夫だから!」
「今日逃げてもいつかは入らなきゃでしょ。やるべき事はさっさとやる!あと汚い人のお世話とかしたくないです」
「最後本音!」
牛車から無理矢理下ろされて自分の作った浴場に連れてかれる。
俺の設計した浴場は屋敷一つ分くらいの広さに男湯女湯に分かれていて、それぞれ3つの風呂に洗い場を20完備。
権力者達を羨まがらせてやろうと思って力入って作っちった。
道満の後ろに隠れながら店に入る。
「ど、どっちに入れば良いの?俺」
「男湯に決まってるじゃないですか。そんなラッキースケベさせませんよ」
「しねぇよ!!」
「どれだけ女性の身体に慣れてないんですか、こんなナイスバディがいつも目の前にいるのに」
「え、どこ??」
「サッサと入ってこい!番台さん!大人2人で!」
番台にお金を払って俺を男湯側に蹴り入れる道満。
師匠に対してなんて酷い扱いだ。マジでナイスバディなんてどこにいるんだよ!
まぁ特に問題ないか、よく考えると元々男だし、さっきは皆んなにも晴明って認識されてたし。
・・・・一応顔は隠して晴明とバレない様にするか。
結構人いるなぁ、流石俺が作った浴場だ!
脱衣所でも一応端っこを選び、服を脱ぐ。
サラシマジキツい~!外そ外そ!
外した瞬間にボンッと効果音が聞こえたかの様に胸が飛び出す。
おぉ落ちる落ちる!落ちないけど!
咄嗟に胸を押さえる。結構な巨乳だよな、俺。うぅ直視出来ない、俺の胸なのに!
抑えてる腕がにこの世の物とは思えない柔らかさがくる~けど、自分の胸だから胸の部分も何か反応する~!何だこの感覚!
ま、まぁとりあえず風呂だ!サッサと入ってサッサと出よう!
「・・・・・」
何だろう、変な感じする。
コソコソ声が聞こえる・・・・?
「アレ女じゃね?」「いや流石に違う・・・でも後ろから胸の端っこみたいな見えるな」
「線細いしな」「肌綺麗」
え、そんなに女の身体って男と違うの!?アソコがないのと胸があるだけじゃないの!?
「どうする?声かける?」「痴女だよな」
「変態か」「変態」
「道満ーーーーーー!!」
俺は中途半端に脱げた服のまま女湯にいる道満の所にダッシュで行った。
「うあーーーー!?何でこっち来てんですかー!?」
「変態って言われた!ヘンタイって!」
もうほぼ泣いてた俺。
「あーよしよし怖かったんですねぇ」
俺を抱き寄せ頭をポンポンしてくれる。母性がヤバいぞ、道満。
「めっちゃ見られたぁ~」
「そういう視線のセクハラにも世の女性は耐えてるんですよ」
「女性強い」
「さて、どうしましょう。結構な精神的ダメージありましたね」
「タオルで隠しながらならいけるかな」
「いってらっしゃい」
3分後
「ムーリーーーー!!タオル意味ない!身体のライン出るし余計エロい!!」
「もっと嫌な目で見られたから、まぁそうでしょうね」
「分かってたら止めろよ!」
「何事も経験です。仕方ない、小さい方のタオル貸してください」
そう言うと道満は小さい方のタオルで俺を目隠しした。
「いや、そういうプレイには興味ないかなぁ」
「違うわ!こうすれば見えないから女湯行けるでしょ。私が誘導しますから」
「お、おぉう」
闇!完全なる闇!いや今の俺は視線が怖いから良いか。
モニュ
「きゃあああああ!」
「あ、すみません。つい」
道満に手を引かれ、自分で作ったけど入った事ない女湯に足を踏み入れる。
基本は同じ素材、同じ形に設計したけど何か雰囲気が違う。
この闇の先に神秘の女体が沢山あるからかなのか。
「大丈夫ですか、晴明様?」
「おおう、ちゃんと手掴んでてな!」
足はブルブル、完全に内股。
「あら、道満ちゃん」
「こんばんわ、葛西さん」
誰!?葛西さんって誰!?
「道満ちゃん、その子は??目隠し?」
「友達の晴子ちゃんです。視線恐怖症なので」
違っ・・・くはない!
「あらそうなのぉ。あ、この前の女子会楽しかったね、またやるから!」
「それは楽しみにしてます」
「晴子ちゃんも来てね、それじゃ」
足音が遠くなる。行ったのか。
「誰??」
「街の船引の葛西さんです」
「街に知り合いいたんだ、ってか女子会まで」
「羨ましいですか?」
「少し」
再び手を引かれ、洗い場へ。
「さ、洗いますよ」
「それぐらい目隠ししてても出来るよ」
「まぁまぁ」
「触りたいだけだろ」
「まぁまぁ」
身体をお湯で流して汚れを拭き取られる。
「うわぁ肌スベスベ。何これズルい!」
「と言われてもなぁ、そこ!変なとこ触るな!」
「変なとこってどこですか?名称は??」
「だから~!きゃあああ!」
色々触られた。名称は言えないけど。
「次は髪ですね、綺麗、男の時よりちょっと長くなってますね」
「そうかな」
道満は丁寧にお湯で髪を洗い整えてくれる。
髪を撫でながら道満が言う。
「・・・・晴明様、さっき戻れなくても俺は俺と言いましたが、どこまで本気ですか?」
「どこって」
「女ならさっきまでの男の視線だったりそれ以上の事もあるでしょう。耐えられますか?」
「ん~」
「それに・・・・」
「それに?」
「私が晴明様を貰えない」
時が止まった様に感じた。
「晴明様が女じゃ女の私は貰えないですよ、私が貰わなきゃ晴明様ずっと独り身ですよ」
「女が女を貰っちゃいけない事はないだろう」
道満の手が止まる。
「性別なんて関係ない。道満がそうしたいならすれば良い」
「晴明様・・・・」
「と言うか道満が貰うのかよ」
「そうですよ、私が貰うんです」
再び手が動き始める。
うん、何かスゴい事言われた様な気がするけど。とりあえず流せたかな。
道満・・・・マジ??
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