女の子になった安倍晴明が蘆屋道満(女子)と男に戻る方法を探して平安時代を謳歌します

藤いろ

第1話

俺、安倍晴明は浮かれていた事実をまず認めよう。

都一番、いや国一番の陰陽師と言われ調子に乗っていた。でも、実際そうだった。

本当に天才だったと思う。

男子には憧れられて、女子にはキャーキャー言われて。

俺に敵う陰陽師は誰も居なかった。

まぁ近いのは弟子の蘆屋道満くらいかなぁ。

アイツも頑張ってるよなぁ。

だからこんな事になったんだ。

突然都に現れたリョウメンスクナノカミをなんとか倒した。

その祝いの宴。

めっちゃ頑張ったからなぁー。ハメを外して楽しんだ。

そして宴で良い気分で寝て起きたら


女になってた!!


「え、ちょ~っと待って。」

朝、厠にいって気付く。ある物がない。胸が重い感じする。

さて、布団に戻ろう。また寝たら元に戻ってるさ!

二度寝する。

起きる。

元に戻らない。女のまま。

「マジかぁ~」

布団ので膝をかかかえる。

どうしてこうなった!?昨日!昨日を思い出せ!

えーと、都に来たノラ鬼を払ってその成功祝いの宴をして~それから~それから~・・・・。

ダメだ、頭痛い!思い出せない!

「晴明様、起きてらっしゃいますか?」

「!?」

部屋の外から声がする。道満か!これ女体化バレたらヤバい!気がする!頭は回らないけど直感で!!

「開けますよ~?」

「あ!ちょい待ち!!」

とりあえず服着て色々隠すか!えっと服!服!どこ!?いつもやってもらってるからなぁ!

あー!もう胸邪魔!世の中の女はすごいな!

「晴明様??」

「あ」

見られたのはちょうど良く服を脱いでほぼ全裸状態。

「誰??」

「晴明で~す・・・・」

とりあえず右手でも上げてみる。

「あー!晴明様が女連れ込んでるー!!」

「違う!違う!俺!晴明!本人!」

「私よりナイスバディで何言ってんですか!?」

「俺そんなにナイスバディ??」

おいおいちょっと嬉しいじゃねーか。ポーズなんてとってみたり。

「で、晴明様はどこですか!?」

「だーかーらー俺なの!」

「だーかーらーんな訳ねぇっての!」

道満の顔がほぼ0距離まで近づいてくる。

怖い!俺の弟子怖い!

「この~泥棒猫!!」

話が終わらないのでとりあえず土下座して話を聞いてもらった。


「朝起きたら、女になってた。で原因不明と」

「そう」

「信じるか!そんなの!」

「ホントだって!」

「じゃあ例えば晴明様しか知らない事私の事話してください!そしたら信じますよ」

「俺しか知らない事?あーアレだ最初ケンカ売ってきた時、自分の右腕に五芒星墨で書いて超芒星とか言ってたのとか」

「うっわーーーーー!!」

頭も悶え苦しむ道満。

「あとはーものもらいなのに鬼が宿ったー!とか言ってフッこれで私にも鬼の力がとかドヤってた事とか」

「キャーキャー!!やめてー!!」

柱を頭に打ちつけ始める道満。

「あとはー」

「分かりました!信じるから!」

「右の胸の先端横に3つホクロがある」

その後十数分殴られた。俺が悪いのか?

「信じましょう、晴明様ですね」

「ありがとうございます」

ボコボコの顔でお礼を言う俺。俺が悪いのか?

「何にも覚えてないんですか?」

「なん・・・何にも覚えてない!」

ヤバい。

「? まぁご自分で何かやったんでしょう。性別変えるとかそんな力晴明様くらいしかないでしょうし」

「そ、そうだよね~」

そろそろ本格的にヤバい!

「? 何をさっきからモジモジしてるんですか?」

「厠!」

「行けばいいでしょう!」

「バカお前、女の身体だぞ!上手く出来てるか!」

「漏らされたらそれ掃除するの私なんですよ!」

また怒られた。俺の覚悟が決まらない内に強制的に厠に連れてかれた。

「これ!どうやってするの!?」

厠の中から叫ぶ俺。

「しゃがんで力入れれば自然に出ますよー!」

厠の外から道満の指示が飛ぶ。

「どこから!?ホント大丈夫!?」

「真ん中辺りからー!って自分の身体なんだらよく見てください!」

「いやでもそれでも女の身体だし、何かさー!うわっ!うわーーー!!」

何だろうこれは男の体の時全然違うし!変な感じ過ぎる!ってか見ちゃったし!!


厠を出たけどもう疲れた。

「・・・・道満の身体もこんな感じなの?」

「セクハラです」

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