大丈夫?

 奈留実…大丈夫かな。

 

 とにかく悶々が治らない‼︎とモヤモヤとしていたら、また放課後莉央さんが…さぁ…やらかしたよね。

 

 オレはとにかく莉央さんから目を離すわけにはいかない‼︎

 って思っていた矢先だったんだよね…。

 

 なんか、奈留実が靴を履こうとしたら莉央さんがいきなり奈留実に突っ込んだ?みたいな…突進みたいな?

 

 まぁ、怪我とかするわけじゃないんだけど…奈留実の靴下が少し汚れたよね。

 

「奈留実‼︎大丈夫⁉︎」

 とオレが駆け寄ると莉央さんが、

「あー、ごめーん。転んじゃったぁ」

 なんて軽く謝った。

 

 …転んでないよね。

 狙って突進してたよね?

 

「あのさ、莉央さん…この前からさ…」

 とオレが言いかけるとまた奈留実がオレをとめた。

 

「わたしは、大丈夫。それより道久、今日一緒にかえろ?」

 と優しい眼差しで見てきたじゃないかっ!

 

 …もう、そんな眼差しで見られたらさ、

「はい!」

 ってこたえるしかなくない?

 

 奈留実は、ほんとめっちゃ美人のくせにお高くとまらない屈託のない笑顔をみせてくるからオレの心がズキュンになるのだ。

 

 とりあえず、奈留実に怪我はないみたいだし…奈留実が帰ろうっていうから渋々莉央さんになにも言えず帰ることとなった。

 

 

 そして、奈留実から言われた。

 

「莉央さんのことは、しばらく見守っていてほしいの。わたしに考えがあるからさ」

 ってね。

 

 なんだろう…考えって。

 

 まさか、莉央さんの数々の嫌がらせを演説でバラすとか⁉︎

 実は、こっそり動画まで撮ってあるとか?

 

 …まぁ、奈留実に限ってそんなことするわけなさそうだけどな。

 

 でも、気になる‼︎

 

「あのさ、奈留実の考えてることがどんなことかわからないけどさ…でも、オレは好きな人がそんなことされてたら気が気じゃないっていうかさ…」

 

「えっ、好き…な人…?」

 

 !!

 

 やばっ‼︎

 

「あー…、ほら‼︎幼馴染としてって意味‼︎」

 と慌てて誤魔化した。

 

「あー、そういうことね。でもほんと大丈夫だから。それに莉央さん、わたしに大怪我をさせるつもりじゃなさそうだから。だから、お願い。見守ってて。」

 というじゃありませんか。

 

 …

 

 なんか腑に落ちないけど…まぁ、奈留実がそこまでいうなら、しばらくは見守ることにしようと決めた。

 

 で、しばらくっていつまで?

 

 …

 

 心配だなー。

 もう、オレはとにかく莉央さんをマークすると決めた‼︎

 

 

 続く。

 

 

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