パトロール

 どんどんしっかりしていく奈留実。

 

 そして…どんどんオレに懐く莉央さん…。

 

 

 莉央さんがどんどんオレに懐くにつれて、奈留実がどんどん遠くに行ってしまうような気がしてならない。

 

 せっかくの生徒会の日もいつも隣に莉央さんがべったりいるし…。

 

 そして奈留実の横は、いつも蒼梧がいる…

 

 あーぁ‼︎なぜだぁ‼︎

 と、大声で叫びたくなるよー‼︎

 

 ま、でも…そんなことしてもね…。ってなわけで気を取り直して生徒会の会議にきちんと参加。

 

 生徒会では、気軽に生徒の皆さまからのご意見をお聞かせいただきたく、ポストを設置している。

 

 意外と多いのは、学校の自販機に〇〇ジュースを置いて欲しいという意見だった。

 

 そしてたまに…彼女が欲しいです。と願い事的なことを書いていらっしゃる方も…。

 

 

 …それは…ちょっと叶えるの難しいですね…。

 

 しかも、オレを名指しでお願いしてくる人がいるからなんともびっくりだ。

 

 オレは神さまじゃないんだけどな…。

 

 でも、オレが美少女を引き連れて下校しているとかいう目撃情報が流れているらしいのです。

 

 …はい。そちらの件につきましては、身に覚えがあります。

 

 この間、三人で帰ったあの時ですね…。

 

 まぁ…三人で帰ることは、もうないと思いますがね。

 

 …

 

 三人っていうか、オレは…奈留実と二人で帰りたいです。

 

 なんなら、オレもあのポストに願い事でも入れちゃおっかな?

 

 奈留実とよりを戻したい。

 

 …なんてね。

 

 まぁ、そもそも本当に付き合ってたわけじゃないけどさー。

 

 

 復縁なんて無理だろうけど、でもせめて奈留実に釣り合うようにしっかりとした男になりたいと思う。

 

 

 だからたまに休み時間に校内パトロールに出かけた。

 

 まずは、一年生の校舎から。

 

 

 パトロールをしていると一年生からたまに神さまー‼︎と握手を求められたりする。

 

 

 で…

 

 で…ね、なんか気になる一年生がいるんだよね…。

 

 

 パトロールにいくと…とにかく睨まれるんだよね。

 とある女の子にさ。

 

 なんだろう?オレなんかしちゃった⁈

 

 …それとも、遠回しにオレに何かを訴えかけているのだろうか?

 

 

 まぁ、オレはパトロールに来ているのだから、困っている人を助けなきゃだ。

 

 

 なのでその女の子に声をかけてみたんです…けど、まさかあんなことを言われるとは…

 

 

 続く。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る