第47話
普段は大人びていて、どこか冷たげに見える顔が、時々まるで、子どもみたいにくしゃりと歪む。言いたいことを秘めたまま言葉にできない不器用さが,ライアンの頬の皺に刻まれている。見ていると,居ても立っても居られなくなるほど、苦しくなる。だけどそれは、幸せの痛みなのだ。
「…俺は」
ライアンはリトルブルーを、じっとみる。リトルブルーの青い瞳を見続ける。どれだけ見つめていても飽きることがない。胸の奥から、なにか優しい柔らかい想いが、じわりと湧き上がってくる。そんな気持ちになったのは初めてだった。
「おかしいんだ。なんだか、俺は変だ、狂っちまったらしいんだ」
ライアンは、一歩先に進む。リトルブルーがそれにつれて一歩後ろに下がる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます