第27話

リトルブルーは表情を曇らせて、眉根を下げる。

「わかっているんです。でもここのお洋服がとても可愛くて」

店員はリトルブルーの手元にメモ帳があるのを見つけた。この店の洋服に関するメモがぎっしりと書きこまれていた。

店員は何も言えなくなって、うんうん唸るリトルブルーをじっと見つめる。

 店員たちは、昔の自分を見ているように感じられたのだ。ああでもないこうでもない言いながら、美を学んできたときめきや焦りを、思い出したのだった。

「あの、こちらの服なら」

もう一人の店員がリトルブルーに示して見せた。それはピンクのワンピースだった。

 店員たちに様々な情報をもらって、リトルブルーは今度はヘアサロンへと足を運んだ。その日はモクレンも一緒だった。

ゆるふわパーマをかけるとリトルブルーの元々の柔らかな笑顔が更に映えた。

あとは、ライアンに近づくだけ。それだけなのだ。

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