第18話

二人はテーブルを挟んで、白い椅子に座る。向かいあって目を合わせた。

やっと涙が止まったリトルブルーは客人用のティーカップに茶を注いで女性をもてなそうとした。

「ごめんなさい、急に泣きだしたりして」

「まあ、別に珍しいことじゃないわよ。そんな女は見慣れてる」

女性は優雅に、茶を口に含む。そして、盛大にふきだした。

「あんた、これっ、砂糖じゃなくて塩入れたでしょ!」

「ええ!?ほんとだ、あ、ごめんなさい、本当にごめんなさい…!」

「別にそこまで謝らなくてもいいけど」

女性は気をとりなおして、モクレンと名乗った。

「で、どうして急に泣いたりなんかしたの」

戦場では、弱みを見せることは命とりになる。

「まさかこの後に及んで、躊躇ってるわけじゃないでしょうね」

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