第3話

まずい、と本能が叫び、咄嗟に周囲に目をやる。皆、他の獅子たちと戦っている最中で、こちらには気づかない。声を上げたとしても、距離が空きすぎていて聞こえない。

思考を停止させた。ここまでか、とゆっくりと瞼を閉じる。獅子の吐く息の音が迫ってきていた。

 その時だった。

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