第2話 戦場にて

剣がシャンと音をたてた。広大な大地が広がっている。

巨大な獅子の群れと、馬に乗ったスヴィズム団の騎士たちが向き合っている。

砂埃の音で戦いは始まった。

 彼らは移動途中に襲いかかってきた獅子たちと戦っている最中だった。団員の誰かの、何かの仕草が獅子のカンに触ってしまったのだ。

「ライアン、うしろは任せた!」

美しい黒髪の女騎士ポルカがライアンと背中合わせになり、叫んだ。ライアンは冷たい目をして青銅の剣を顔の前に掲げた。獅子の爪を剣で受けた。それを何とか跳ね除ける。だんだん力が低下してきて、視界がぼやけてくる。砂埃が邪魔をする。

その時、右方から急に別の獅子が襲ってきた。思いもよらないことにライアンは落馬してしまった。剣が地面にガチャリと倒れた。

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