不幸少女は世界を救う
冬田ケイ
0話 始まり
自分に憑いている、大きな黒い
いつからなのかもわからないが、物心がついたころにはすでにその霧は常に自分の近くに浮かんでいた。
不思議に思い、何度も親に話したが全く理解されず、そのうち親も風子のことを気味悪がるようになった。
学校でも風子は浮いてしまった。小学校、中学校と馴染めなかったため、高校は地元から遠く離れた場所に引っ越し、この春から通うことになっている。
親の同意を得て、春から一人暮らしを始めた風子は、親もせいせいしているのだろうと思っていた。通っていた学校では、いつからか「不幸少女」と
自分の側には、良い意味でも悪い意味でも黒い霧しかいないのだと、本気で思っていた。
だから驚いた。高校に入学して理解者に出会えたことに。
自分が人の役に立つ力を持っていることに。
そして、黒い霧は自分のことをずっと守ってくれていたのだということに。
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