第15話


 「ありがとうございました〜」




 先生の後を追うように、俺たちも急いで会計を済ませた。


 姿を見失わないように、俺だけ先に出て後ろ姿を追った。


 徒歩みたいだった。


 てっきり、車に乗ってきたんだと思ってた。



 「学校には電車で通ってるみたいだよ?」


 「へー」


 「さ、行くよ」



 行き先は多分、病院。


 ヒロはそう言う。


 聞いた話によれば、時々違う場所にも行ってるそうだ。


 山とか廃校とか、それ以外にも。



 ってか、一個聞いていい?


 誰情報なの?


 それ。



 「ウチには優秀な探偵がいるんだよ」


 「ウチって?」


 「D組」


 「跡尾けてたってこと?」


 「まあ、詳しいことは私にもわからないけど?」



 ストーカーじゃね?


 …それ



 飛鳥先生が魅力的なのはわかる。


 すごく色っぽくて、おまけにスタイル抜群で、非の打ち所のないスーパーウーマン。


 完璧すぎて、逆にミステリアスだった。


 だから皆先生に興味津々だった。


 気軽に話しかけれるようなやつは今のところいない。


 恐れ多いし。


 授業中なんか緊張しっぱなしで、ろくに集中できないこともしばしば。


 俺んとこのクラスは皆そうだ。


 飛鳥先生の授業の時だけ、変な緊張感が走る。


 今日はメガネかけてたけど、あれはあれで良かったなぁ…


 なんでも似合うんじゃないか??


 夏場のタンクトップ×デニムは反則だった。


 秋になると色々ファッションも変わってて、今日はカジュアルな印象が強いカーキパンツに、袖にデザインのある甘めな白シャツ。


 もはやスウェットでもパリコレに行ける気がする。


 いや、まじで。

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