第5話


 「でも、今はまだやってるんでしょ?」


 「…まあな」


 「話だけでも聞いてくんない?」


 「えぇ…」



 話だけ、か。


 聞いてどうしろと?


 協力はしないぞ。


 それに「幽霊」ってのはな、下手に近づくもんじゃないんだ。


 場合によっちゃ取り憑かれることだってある。


 現に取り憑かれた友達が3ヶ月も体調を崩したんだ。


 我が家に伝わる直伝の除霊術でなんとか追い払えたが、あのままだったら多分ヤバいことになってた。


 あ、「除霊術」っていうのは掘り下げなくてもいい。


 別に大したことじゃないし。



 「俊にとっても得な話だと思うけど?」


 「はぁ??」


 「飛鳥先生のこと好きなんでしょ?協力するけど」




 ……………



 ……………



 …は?



 今、なんて…?




 「飛鳥先生のこと、好きなんでしょ?」


 「…は?」


 「だーかーら!」


 「よく聞こえなかったんだが…」


 「絶対聞こえてんじゃん!」

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