第4話



 「“幽霊に関することなら、なんでも相談してください“って、書いてあったでしょ?」


 「…いつのポスターだよ」


 「相談に乗ってくれないの??」


 「普通に言ってくれればいいじゃねーか。わざわざこんなところに呼び出さなくても」


 「…ああ、ごめん」


 「ま、他をあたってくれ」


 「は!?」


 「なんだよ、その顔は」


 「相談に乗ってくれないの!?」


 「…お、おう」



 唐突な相談にたじろいだわけじゃなかった。


 単純に、乗り気がなかっただけだ。


 俺たちはそんなアクティブな活動をしてるわけじゃない。


 部員も3人しかいないし。


 ほとんど帰宅部と変わらんのだ。


 去年までだったら、話を聞いてやらないでもなかった。


 先輩が布教活動に勤しんでたから。



 「相談に乗るって書いてあったのに」


 「昔の話だろ」


 「今は違うの?」


 「廃部寸前だっつーの」


 「なんで??」


 「3年しかいないから」


 「…ああ」



 俺たちが卒業したら、部も存続できなくなる。


 だから、そういう話っちゅーことで。

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